2026年11月2日、米AI大手のOpenAIは、日常生活における実用的なタスクの遂行能力を評価する指標「LifeVal(※)」を発表した。ChatGPTを単なる対話型AIから、自律的に行動するパーソナルアシスタントへ進化させる狙いだ。
生活実態調査を反映した評価軸 育児や家計管理など多分野で高い実用性を実証
OpenAIは、人々が日々の暮らしで直面する現実的な課題の解決に向け、新たな評価フレームワーク「LifeVal」を導入した。ChatGPTの毎週の利用者が10億人を超える中、単なるアドバイスの提供にとどまらず、実際の行動を通じて用事をやり遂げる機能の重要性が増している。
評価対象のタスク選定にあたっては、米国の生活時間調査や多国籍生活時間研究などの大規模データを参照。さらに人口構成を代表する3,995人を対象とした独自調査を実施し、アシスタントが必要とされる領域を特定した。その結果、育児・介護、健康、教育、家庭内事務、家計管理、買い物、行政サービスの利用など広範な分野が設定された。
具体的なタスク例では、条件に合う幼稚園の選定やボランティアの調整、新居探し、高齢の家族向け食事プランの策定などが含まれる。最新モデルはこれらの項目で極めて高いスコアを獲得した。
また過去1年間で、ブラウザ操作やコンピューター操作、各種コネクタを介したタスクにおいて、モデルが高速かつ意図に沿って動作するようトレーニングが重ねられてきた。評価結果によると、最新モデルの「GPT-5.6」は「GPT-6 Astra」と同等の総合性能を達成しつつ、推定APIコストを約半分に抑制。新モデルほど待ち時間も短縮され、GPT-6はGPT‑5.6 より約23%高速化している。
※LifeVal:OpenAIが独自に構築した評価システム。ユーザーが実生活で求めるタスクを網羅し、AIエージェントの日常的な業務遂行能力やパフォーマンスの推移を測定・追跡する。
日常業務の自動化がもたらす革新 責任と安全性の担保が今後の課題に
「LifeVal」の導入とモデルの進化は、個人の生活様式やビジネスシーンに大きな波及効果をもたらすと考えている。日々の雑務や複雑な手続きをAIが自律的に代行することで、人々は意思決定や創造的な作業に集中できるようになり、時間的なゆとりの創出につながるメリットが見込まれる。
一方で、AIが現実のタスクを実行するにあたっては懸念点も存在する。誤ったデータに基づく判断やプライバシー管理の問題、権限範囲を超えた動作といったリスクへの対策は不可欠と言える。
今後は、知識の正確性だけでなく「生活にどれほど貢献できるか」が重要な評価軸となり、AGIが社会全体に真の利益をもたらすための開発が一段と加速していくと予測される。
関連記事: