2026年10月19日、東京都渋谷区に本社を置く株式会社DJ Insightは、日本政策金融公庫から2,000万円の融資決定を発表した。同社は設立1年未満で累計調達額5,000万円に達している。
日本政策金融公庫からの2000万円融資で累計5000万円へ到達
株式会社DJ Insightは、非言語情報AI「TsutaeAI(ツタエアイ)」の研究開発および事業展開を一段と加速させる方針を示した。同社は2025年11月に設立されたスタートアップであり、2026年5月にはベンチャーキャピタルのTHE SEEDを引受先とするシードラウンドで3,000万円のエクイティ調達を実施している。今回の日本政策金融公庫(※1)からの2,000万円の融資が決定したことにより、エクイティとデット(※2)をあわせた累計資金調達額は5,000万円へ到達した。
同社が提供する「TsutaeAI」は、映像や音声から取得される非言語情報を解析し、人間の感情や反応の変化を可視化する技術である。接客や商談、社員研修、イベントといった人と人が関わる現場において、言葉だけでは捉えきれない表情、声のトーン、視線、身振り手振りの動作をデータとして可視化する仕組みを提供する。すでに美容や対面接客、教育現場などで累計1,000件以上の分析実績を重ねており、現場改善に直結するインサイトの抽出に成功している。
※1 日本政策金融公庫:政府が100%出資する政策金融機関。創業企業や中小企業の資金調達を支援する役割を担う。
※2 デット:負債による資金調達のこと。銀行や公庫からの借入金や社債発行などがこれに該当する。
非言語データ解析の需要拡大と今後の事業展開における課題
今回の調達資金により、同社は解析技術の精度向上とサービス基盤の強化に集中的な投資を行う見通しだ。接客や美容、教育現場といった対面領域における検証結果を軸に、各業界の運用フローに最適化した提供手法の開発が進むと考えられる。言語依存のない非言語データ解析は海外展開とも親和性が高く、グローバル市場での活用余地も十分に存在すると言えよう。
一方で、映像や音声データを収集・解析するプロセスにおけるプライバシー保護の徹底やデータ管理体制の構築は欠かせない。また、可視化された感情データを現場の業務改善や売上向上へいかに結びつけるかという運用面の定着が普及の鍵を握る。代表取締役CEOの齋藤立壽氏およびCTOの浅倉拓也氏を中心とする技術主導型チームが、これらのハードルを克服し非言語AIのデファクトスタンダードを確立できるかが今後の注目点となる。