AIが建設現場の熱中症を予防 体重測定と「Gemini」で水分補給を最適化

📖 読了時間: 約1分
2025年5月28日、スポーツ領域の技術開発を手がけるユーフォリアは、Googleの生成AI「Gemini」を活用し、建設現場での熱中症予防を支援する新システムを発表した。
建設会社の奥村組での導入が、同日から開始されている。
目次
体重データからAIが水分摂取量を即時アドバイス
新たに発表された熱中症予防システムは、作業者の出勤時・休憩時・退勤時の1日3回程度、体重と体調を測定するだけで、ほぼリアルタイムにAIから最適な水分補給や休憩タイミングのアドバイスが受けられる点が特徴だ。
システムにはGoogle Cloudが用いられており、ウェアラブルデバイスや特殊なセンサーを装着する必要がない。
測定データに加え、気象情報も考慮したうえで、Geminiが熱中症のリスクを分析し、必要な塩分摂取の目安まで提供する。
2025年6月1日から職場での熱中症対策の義務化が施行されることもあり、奥村組が実施する現場での導入は、夏場に向けた労働環境の安全対策として注目できる。
他業種へも展開を検討 リスク対策と導入負荷のバランスに課題
ユーフォリアは、これまでスポーツ選手向けに体調管理アプリ「ONE TAP SPORTS」を展開してきた実績がある。
今回のシステムにも、その運用で蓄積された気温や水分摂取量の知見が応用されている。
建設現場以外にも、今後は製造業や運輸業、屋外イベント運営など、熱中症リスクが高くウェアラブル端末の常用が難しい業界での活用が視野に入れられている。
導入の簡便さに期待できる一方で、AIの判断が個々の健康状態をどこまで正確に反映できるかは、継続的な精度検証が不可欠だろう。
安全管理を自動化する一歩としては革新的だが、現場の信頼を得るには、より正確なフィードバック機能の強化を行うことが、今後の課題となりそうだ。