イーロン・マスクの「Kekius Maximus」切り替えによるミームコイン急騰

2025年5月17日、米実業家イーロン・マスク氏がSNS「X」のプロフィールを突如「Kekius Maximus」に変更し、これに連動するミームコイン「KEKIUS」が約2時間で2.4倍に急騰した。
この現象は、仮想通貨市場におけるマスク氏の影響力を改めて浮き彫りにした。
プロフィール変更から2時間で2.4倍、再燃する「マスク効果」
2025年5月17日、イーロン・マスク氏が自身のX(旧ツイッター)アカウントにて、プロフィール画像およびユーザー名を「Kekius Maximus」へと変更した。
この変更が公開されるとほぼ同時に、イーサリアム上に存在するミームトークン(※)「KEKIUS」が爆発的な値動きを見せた。具体的には、発表から約2時間という短期間で、価格がおよそ2.4倍に上昇した。
このようなマスク氏によるSNS上のアクションが仮想通貨市場に影響を及ぼすのは、今回が初めてではない。
2024年12月にも類似のプロフィール変更が行われ、その際には同じく「Kekius Maximus」と名のついたミームコインがわずか数時間で10倍以上に跳ね上がるという現象が記録されている。さらに、その後マスク氏がプロフィールを元に戻すと、トークンはわずか24時間以内に60%以上下落した。
また、ドージコインのマスコットであるシバイヌ犬の画像をプロフィールに設定した際も同様であり、当時ドージコインは50%近く急騰したという前例がある。これらの事例を見ても分かる通り、マスク氏の個人的なSNS変更が一種の市場シグナルとして作用している。
ミーム相場に潜む危うさと「マスク銘柄」の展望
急騰を受けたKEKIUSトークンは、現時点で高値圏を維持しているものの、長期的な安定には疑問符がつく。
過去の例が示す通り、マスク氏がプロフィールを変更し終えると、相場は反転し急落する傾向が強いためだ。現に、2024年12月の高騰時には、一夜で投機的な利確が相次ぎ、翌日の値動きは60%超の下落に至っている。
今回のKEKIUSの急騰をチャンスと捉える短期トレーダーが存在する一方で、「またすぐに戻る」ことを予見しているトレーダーも存在すると思われる。つまり、市場全体がマスク氏の動向を過敏に織り込んでおり、今後も同様の動きが再現される可能性は高い。
マスク氏自身がこのような影響力を意図的に利用しているのかは不明だが、彼のSNS更新が事実上の“相場材料”となっている点は、マーケティング視点からも注目に値する。
今後もマスク氏によるプロフィール変更や発言が、非公式な形で市場トリガーとして機能する可能性は否めない。
投資家にとって、こうした“マスク銘柄”とも呼べる資産への投資は、今後もリスクと期待が表裏一体となるだろう。市場の興奮が続く中でも冷静な視点を持ち、マスク氏の動きに過度に依存しない戦略が求められるのではないだろうか。
※Token(トークン):主に暗号資産のことを指す
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