フランク・ミュラー限定1111本 ソラナ内蔵の仮想通貨対応時計

2025年5月24日、スイスの高級時計ブランド「フランク・ミュラー」は、仮想通貨ソラナ(SOL)をテーマにした限定モデルの腕時計を発表した。
ウォレット機能を内蔵し、1,111本限定で販売される。価格は約347万円。デジタルとラグジュアリーの融合が加速している。
ソラナテーマの限定時計にウォレット機能を搭載
スイスの老舗高級時計メーカー、フランク・ミュラーは、仮想通貨ソラナ(SOL)をモチーフとした新作腕時計を発表した。この限定モデルは、世界で1,111本のみの製造で、価格は1本あたり2万スイスフラン(約347万円)とされている。
本モデルの最大の特徴は、文字盤に埋め込まれたQRコードだ。これは購入者のソラナウォレットに直接アクセス可能な仕組みとなっており、デジタル資産管理と高級時計の融合という新たな試みに位置づけられる。
また、各時計には一意の番号が付与され、ウォレットアドレスが安全かつプライベートに内蔵される。
フランク・ミュラーはこの時計について「各サービスへの限定早期アクセス、厳選されたオンチェーン体験、プライベートイベントへのアクセスを可能にする」と説明。単なる時計ではなく、デジタル時代における「帰属意識の象徴」としての意味を強調している。
なお、この製品はソラナのブロックチェーン技術にインスパイアされており、高速処理と堅牢なセキュリティのイメージがデザインコンセプトに反映されているという。
高級時計と仮想通貨の融合 拡大する“デジラグ”市場
フランク・ミュラーが仮想通貨と高級時計を結びつける試みは、今回が初めてではない。
2019年にはビットコイン(BTC)をモチーフとした「センチュリオン・リミテッドエディション」を発表し、話題を呼んだ。同モデルには、ジェネシスブロックのアドレスQRコードや秘密鍵を封入したUSBメモリが付属し、物理とデジタルの両側面で希少性を訴求した。
この例からも、仮想通貨とラグジュアリー市場の融合は、今後さらに多様な形で拡大していく可能性が高いと考えられる。
近年では、仮想通貨市場の好調に伴い、売却益で高級時計を購入する動きも増加傾向にある。
ラグジュアリーウォッチ専門のXアカウント「The Luxury Watch Guy」は、ビットコインが10万ドルを突破した2024年末に、ロレックスやパテック・フィリップなどの需要が急増したと報告している。
国内市場でも動きがある。高級時計・宝飾販売を手がける「ゆきざき」では、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)での決済を導入。仮想通貨による富裕層の拡大が購買層を押し上げているとの見方が広がっている。
今後も、物理的な高級品にデジタル機能を融合させたデジタル・ラグジュアリーの潮流が広がる可能性が高く、ブロックチェーンとの連携を強化するブランドは増えると予想される。