石破首相、生成AIの利活用を巡る基本計画策定を表明　安心安全なAI研究開発を推進する方針

2025年1月31日、石破茂首相は衆議院予算委員会にて、生成AIの利活用に関する基本計画を策定する意向を表明した。AI技術の進展に伴い、安心安全な研究開発と活用を実現するため、法整備が進められる見通しだ。

生成AI技術の進展と安全性確保に向けた政府の方針

石破首相は、生成AI技術の急速な進展に対し、安全性を確保するための基本計画を策定する必要があると述べた。
生成AIは、情報生成やデータ分析の分野で急速に発展しており、その利用範囲は広がりを見せている一方で、誤情報の拡散やデータ不正利用のリスクも増大している。これらの課題に対応するため、首相は「安心安全のAI研究開発、活用ができるかについて基本計画を作る必要がある」と強調した。

また、首相は、問題のあるAI事業者への対応として、法整備を進める意向も示した。
具体的には、AI技術の誤用を防ぐための法案を今国会に提出する準備を進めており、AI技術が持つリスクを最小化し、信頼できる環境を整備する方針である。政府は、AI技術がもたらす利便性を活かしつつ、安全性を保障することを最重要課題としている。

AI活用による社会的影響と今後の法整備

予算委員会での議論では、AI技術の国家安全保障への影響についても言及された。
自民党の小野寺五典政調会長は、中国のAI企業「DeepSeek」の活動に懸念を示し、同企業が収集したデータが中国政府に渡る可能性がある点を指摘した。AI技術が国家安全保障や情報管理に及ぼす影響について、さらなる警戒が必要であるとの意見だ。

一方、AIの利活用が社会に与える影響も注目されている。石破首相は、AIが労働力不足の解消や生産性向上において重要な役割を果たす可能性があることを指摘した。特に、医療や介護分野におけるAI活用の期待は高く、AI技術が人手不足の解消に貢献すると見込まれている。
政府は、AI技術を社会全体で有効に活用するための取り組みを加速させる意向だ。