北海道経済同友会がAI導入を道に提言　人手不足にAIやロボットで挑む構え

2025年5月21日、北海道経済同友会は、AIやロボットの導入による生産性向上を求める報告書を北海道庁に提出した。
観光業などで深刻化する人手不足への対応策として、道内経済の持続可能性を高める狙いがある。

観光業を中心に人手不足が顕在化、デジタル化で対応を図る

報告書は、北海道経済同友会の専任委員会が取りまとめたもので、同日、代表幹事の丸谷智保会長（株式会社セコマ会長）が北海道庁を訪れ、三橋剛副知事に手渡した。

丸谷会長は「景気回復をけん引する観光産業を中心に人手不足の影響が顕在化している」と強調。
そのうえで、「デジタル化は不可避の選択」と述べ、AIやロボットを積極的に取り入れることが、生産性の確保と持続可能な雇用構造の再設計につながるとの見解を示した。

報告書では、AIやロボットが比較的適応しやすい業務に従事させることで、人材の再配置や業務効率化が可能になるとし、結果的に人手不足の緩和につながると指摘。
道内企業および行政が連携し、段階的に導入を進める必要性を説いている。

AI導入は経済基盤の強化に　リスク管理と教育が鍵

AIやロボット導入による期待効果として、単純作業の自動化による人的リソースの再配分、観光や農業といった地方産業へのテクノロジー導入による付加価値の創出などが挙げられる。
少子高齢化が進む地域社会においても、持続可能な経済活動が期待できるだろう。

一方で、導入コストやシステム管理の負担、セキュリティリスクも無視できない課題である。AI活用に必要なデジタルスキルを持つ人材の確保・育成も不可欠となるだろう。
学校教育や職業訓練などの教育機関におけるDX人材育成など、人間の担い手を訓練することも必要だと考えられる。

同友会がAIやロボットの効果的な導入を支持することで、今後企業や行政がどういった対応を行うのか、引き続き注目していきたい。