日立子会社GlobalLogic、企業のAI活用を促進する「VelocityAI」を発表

日立製作所の子会社であるGlobalLogicは2025年3月11日(米国時間)、企業がAIとデジタル技術を活用してビジネス価値を創出するための総合的なサービスパッケージ「VelocityAI」を発表した。このプラットフォームは開発プロセスの効率化や生産性の向上、市場投入時間の短縮などを実現し、企業の競争力強化を支援する。
AIを活用した開発プロセスの効率化
VelocityAIの主な特徴は、AIを活用したソフトウェア開発の全体工程の最適化にある。このサービスによって開発チームは要件定義から設計、開発、テスト、実装に至るまでの全工程においてAIを安全に取り入れることが可能となる。
従来のAIプラットフォームと比べ、単一の業務だけでなく、全体プロセスの支援を行う包括性が強みだ。
また、VelocityAIは複数の技術基盤を統合する「プラットフォーム連携型」のシステム構造を採用しており、データプライバシー、セキュリティ、知的財産の保護、法的リスク管理にも対応している。このアプローチにより、社内サーバーでもクラウド上でも、様々なAIモデルやソリューションを安全に連携させることが可能となった。
これにより企業はセキュリティを維持しながらAI技術を活用できるようになる。
GlobalLogicによれば、VelocityAIの導入により生産性が30%向上し、市場投入までの時間が25%短縮され、運用コストが20%削減されるという。
既に一部の導入事例も報告されており、ある会計・監査ソリューション企業はデータセキュリティを重視しつつ、AI技術を搭載したデジタルアシスタントを迅速に開発することに成功したとのことだ。
また、あるグローバル医療機関では患者データの抽出を自動化し、レポート閲覧時間を30%短縮できたとされている。
日立との連携で日本市場への展開を加速
GlobalLogicは今後、日本国内市場向けに日立製作所と連携してVelocityAIサービスを提供する予定だ。日本企業のデジタルトランスフォーメーション推進を加速させる狙いがあると考えられる。
AIの導入は多くの企業にとって優先事項となっているが、実装の複雑さやセキュリティ上の懸念から導入に踏み切れない組織も少なくない。
VelocityAIはこうした課題を解決し、企業が安全かつ効率的にAIを活用できる環境を整えることを目指している。
特に日本企業においては、グローバル競争力強化のためのデジタル技術活用が急務となっており、AIの戦略的導入は業務改善や顧客体験の向上に大きく貢献する可能性を秘めている。
GlobalLogicの関係者は「VelocityAIを通じて、企業はAIの可能性を最大限に引き出し、イノベーションを加速させることができるだろう」と述べた。
日立製作所のグローバルネットワークと、GlobalLogicの専門知識を組み合わせることで、様々な業界におけるAI導入の成功事例が今後増加していくことが期待される。