freee人事労務、新機能「残業分析レポート」で残業結果を可視化 効率的な労務管理を促進

2025年3月10日、フリー株式会社(freee)はクラウド型人事労務システム「freee人事労務」において、新たに「残業分析レポート」機能の提供を開始した。
この機能により、企業の労務担当者は従業員の残業時間と残業手当の推移を多角的に可視化し、労務管理の効率化と精度向上が期待される。
新機能「残業分析レポート」の詳細と導入背景
労務管理において、従業員の残業データの集計や分析は煩雑であり、手作業による処理はヒューマンエラーのリスクを伴う。
特に、部門別や役職別の残業状況の把握は、経営判断において重要であるが、そのためのデータ加工には多大な労力が必要とされていた。このような課題を解決するため、freee人事労務は「残業分析レポート」機能を導入した。
この機能は、勤怠データを自動的に集計・分析し、部門別や役職別など多様な軸で残業状況と残業手当の推移を可視化する。
これにより、労務担当者は迅速かつ正確にデータを把握し、必要な対策を講じることが可能となる。
さらに、データの視覚化を強化し、グラフやチャートを活用した詳細なレポートが作成可能となった。従業員の残業傾向や繁忙期の影響を一目で把握し、適切な労務戦略を策定することが容易になる。
また、AIによる予測分析機能を搭載し、過去のデータをもとに将来の残業傾向を予測することも可能になった。
加えて、経営会議資料の作成や各部門への情報展開にかかる手作業が不要となり、レポート作成の効率化と正確なデータ活用を実現する。さらに、クラウド環境でのリアルタイム共有が可能になり、リモートワーク環境でも迅速な意思決定をサポートする。
今後の展望
また、freee人事労務は今後、他の人事関連機能との連携を強化し、より包括的な人事管理システムとしての機能拡充を計画している。
たとえば、給与計算システムや労務コンプライアンス管理ツールとの統合を進め、労務担当者の業務負担をさらに軽減する予定だ。
これにより、企業の労務管理の効率化と戦略的人事の推進が期待される。
また、AI技術を活用した「働き方最適化機能」の開発が進めば、個々の従業員に最適な業務量やスケジュールの提案が可能になるかもしれない。
これにより、労働生産性の向上やワークライフバランスの最適化が期待される。
加えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れの中で、他の業務システムとの連携が進めば、企業全体のデータ活用がより高度化する可能性もある。
ただし、技術の進化とともに、システムの導入コストや運用の複雑さが増す点も留意すべきだ。特に、AIによる労務管理が過度に自動化されると、人間の判断を介さない形での運用リスクも生じるだろう。
そのため、システムを導入する企業側が、データの正確性や意思決定の透明性を確保する仕組みを構築することが重要になると考えられる。