ハンモックが営業支援クラウド「ホットプロファイル」にAI議事録機能を追加へ 商談ナレッジを資産化する新機能が6月下旬に提供開始

2025年5月9日、日本国内で営業支援クラウド「ホットプロファイル」を展開する株式会社ハンモックは、商談の音声・録画データをもとにAIが要点を自動で整理・記録する「AI議事録」機能を6月下旬より提供すると発表した。
「AI議事録」機能が営業のナレッジ共有を加速
株式会社ハンモックは、法人向けに提供しているクラウド型名刺管理・営業支援ツール「ホットプロファイル」において、AIを活用した議事録生成機能「AI議事録」を2025年6月下旬から新たに提供する。
「ホットプロファイル」は、名刺管理を起点に、SFA(※)や見込み客の発掘など、営業活動に必要な機能を統合したSaaS型のプラットフォームとして、国内企業を中心に導入が進んでいる。
今回追加される「AI議事録」機能では、会議中に記録された音声および映像データをAIが自動解析し、商談の要点を体系的に整理・記録することが可能になる。
従来は営業担当者の記憶や手動によるメモに依存していた商談記録が、デジタルかつ標準化された形で蓄積されることで、再利用可能なナレッジとしての価値が高まる。
とりわけ、属人化しがちな提案手法や交渉の進め方など、ベテラン営業の知見が組織全体で共有されやすくなる点が注目される。
営業担当者は、記録にかかる工数を削減しつつ、より多くの時間を顧客対応や提案活動に割くことが可能になるという。
商談情報のナレッジとしての再利用と工数削減による効率化によって、営業全体の生産性を増すことが期待される。
※SFA(Sales Force Automation):営業活動を効率化・自動化するためのITツール群。顧客管理や案件進捗、営業報告などを一元化し、営業部門の業務支援を行う。
AI活用の現場定着に向けた期待と課題
「AI議事録」の導入は、営業部門におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進において実務面での変化を促す可能性が高い。
従来の営業活動では、経験則や個々のセンスに依存する場面が多く、ノウハウの継承や共有が課題とされてきた。
しかしAIを介して情報が自動で要約・記録されることで、ベテラン営業の動きが可視化され、若手や中堅社員の育成材料として活用できる環境が整うだろう。
さらに、商談記録に関する工数が大幅に削減されることで、営業担当者の生産性が向上する可能性が見込まれる。
時間的余裕が生まれれば、顧客との関係構築や提案精度の向上に資源を集中でき、結果として受注率の上昇や顧客満足度の向上にもつながる可能性がある。
一方で、音声解析や要約の精度、業種や業界によって異なる表現やニュアンスをどこまでAIが理解できるかといった課題も残る。
こうした技術的・運用的な側面をクリアするためには、ユーザーからのフィードバックをもとにした継続的な機能改善が不可欠だろう。
今後、AI議事録の定着と効果検証が進めば、営業のみならずカスタマーサポートやマーケティングといった他部門への応用も視野に入ってくるはずだ。
「ホットプロファイル」は、業務プロセスの知識資産化をAIによって進める潮流の一つと捉えられる。