豊田通商、住友電工情報システムのソリューションで「脱Notes」を実現

2025年3月10日、豊田通商株式会社は、住友電工情報システムのローコード開発基盤(※1)「楽々Framework3」とワークフローシステム(※2)「楽々WorkflowII」を導入することで、長年使用していた「Notes」から、システム移行を成功させたと発表した。
これにより、業務効率が向上し、デジタル化がさらに進展すると思われる。
「脱Notes」プロジェクトの背景と新システム導入の経緯
豊田通商は2001年から約400のアプリケーションを「Notes」上で運用していた。
しかし、2024年6月に行われた「Notes v9.0.x」のEOSL(End of Service Life)(※3)を見据えて、2019年に「脱Notes化プロジェクト」を立ち上げることで、新たなワークフロー基盤の導入を検討していた。
その後、全てのアプリケーションを単一のシステムに移行するのは現実的ではないと判断し、機能を分割・複数のシステムに分散することで移行する方針を採用した。
電子決裁システムなどの移行先として、住友電工情報システムの「楽々Framework3」と「楽々WorkflowII」を選定した。
これらの製品は、複雑な組織構造や承認経路を再現できる柔軟性を持つため、既存の業務フローを維持しながらの移行を可能にしたようだ。
新システム導入による効果と今後の展望
新システム導入後、決裁システムにおける起案から決裁完了までのスピードが約30%向上した。
また、「楽々WorkflowII」はモバイル対応や多言語機能を標準で備えているため、これまでの課題を解決することにもつながった。具体的には、出張先や在宅勤務でも申請や承認が可能となり、業務の柔軟性が高まったようだ。
従業員は場所を選ばずに業務を遂行できるようになり、働き方の多様化に対応できるようになった。
今後、豊田通商は社内に残る数万件の紙の帳票による申請業務をワークフロー基盤へ移行し、さらなる業務効率の向上を図る予定である。
これにより、ペーパーレス化が進み、コスト削減や業務プロセスの最適化が期待される。
豊田通商のさらなる成長に注目したい。
【用語解説】
※1:ローコード開発基盤:プログラミングの専門知識がなくても、視覚的な操作でアプリケーションを開発できるプラットフォームのこと。
※2:ワークフローシステム:業務プロセスの流れを電子化し、申請や承認などの手続きを効率化するシステム。
※3:EOSL(End of Service Life):製品やサービスの提供元が、特定のバージョンのサポートやサービスを終了する時期を指す。