「ChatGPT」の「GPT-4」モデルが4月30日で提供終了　次世代型「GPT-4o」へ完全移行

米OpenAIは2025年4月10日（米国時間）、対話型AI「ChatGPT」における「GPT-4」モデルの提供を同月30日に終了すると発表した。
これに伴い、すべてのChatGPTユーザーは順次「GPT-4o」への利用環境へと移行する。

ChatGPTはGPT-4からGPT-4oへ　進化の背景と性能面の優位性

ChatGPTは2022年に「GPT-3.5」で公開され、翌年3月に「GPT-4」へと進化し、「GPT-4o」の登場と大幅な性能向上によって、GPT-4はサービス提供を終了する運びとなった。

GPT-4oは、従来のGPT-4を大きく上回る性能を有しているとされる。
文章生成やプログラミング支援、STEM分野における質問応答の精度が向上しており、専門性の高い業務にも対応できる柔軟さを備える。
GPT-4では主にテキスト入力が中心であったが、GPT-4oは音声や画像、動画など複数の情報形式を同時に理解し、処理する能力を持つ。

「GPT-4」の利用は4月30日に終了する見通しだ。
開発者と研究者向けには、OpenAI API経由では引き続きGPT-4へのアクセスが可能となる。
一方で、無料プランではデフォルトで「GPT-4o mini」が提供され、限定的にアクセス可能なモデルもGPT-4oと「o3-mini」であるため、無料版ユーザーはモデル変更の影響を受けない。

GPT-4終了で何が変わる？利用者視点のメリットとリスク、今後の展望

GPT-4oへの完全移行は、ユーザー体験の向上を促す前向きな動きと評価できる。
特に、GPT-4oがマルチモーダル対応を備え、音声や画像を含む多様な入力への応答が可能な点は、従来のテキスト中心モデルでは成し得なかった利便性と応用範囲の拡大につながる。
さらに、STEMやコーディング分野での性能向上により、専門性を求める開発者や教育現場での活用も現実味を増している。

一方で、GPT-4に依存していた一部の有料ユーザーや研究者にとっては、モデルの強制的な切り替えが混乱を招く可能性がある。特定の応答傾向やフォーマットに慣れていたユーザーにとって、GPT-4oとの微妙な差異が業務効率や期待する出力に影響するケースも想定される。

「GPT-4」モデルの提供終了は、生成AIの本格的なマルチモーダル時代の到来を象徴する出来事と捉えられる。
今後、ChatGPTは単なる会話パートナーを超え、視覚・聴覚・言語といった複数の感覚情報を融合したインタラクションを支える統合型AIアシスタントへと進化していく可能性が高い。