Character.AI、画像から動画生成「AvatarFX」 1日5本まで無料開放

2025年6月2日、米Character Technologiesは、AI生成キャラクターとのチャットプラットフォーム「Character.AI」において、画像から動画を生成する「AvatarFX」の無料利用枠を新たに提供すると発表した。
ユーザーは1日5本まで動画を生成できるようになり、AIキャラの表現力が一層拡張される。
静止画から話すキャラを生成 AvatarFXが全ユーザーに開放
Character Technologiesは、5月に発表した動画生成機能「AvatarFX」をすべてのユーザーに段階的に開放した。これにより、Character.AI上にアップロードされたキャラクター画像から、表情や口の動きを伴った動画を生成できるようになる。無料ユーザーにも1日5本までの生成が認められており、機能の裾野が大きく広がった。
AvatarFXは、実写・アニメ・3D・2Dなど多様なビジュアルスタイルに対応。人間キャラのみならず、動物や無機物の画像に動作や発話を与えることも可能である。
加えて、独自の推論アルゴリズムによってフレーム間の整合性を保ち、自然で滑らかな動画生成を実現する。
リップシンク(※)にも対応しており、キャラが実際に話しているような演出が可能だ。
すでにWeb版では利用可能で、今後モバイルアプリへの実装も予定されている。まずは有料プラン「CAI+」から提供が始まり、順次すべての利用者に展開される見通しだ。
※リップシンク:音声に合わせてキャラクターの口の動きを同期させる技術。アニメやゲームなどでも用いられる。
動画生成がもたらす新たな体験 創作の主導権がユーザー側へ
AvatarFXの普及は、ユーザーによる創作体験に大きな変化をもたらす可能性がある。特に注目されるのは、追加機能「Scenes」や「Streams」との連携だ。
Scenesは、あらかじめ用意されたストーリーラインにキャラクターを組み込み、まるで映画のワンシーンのようなインタラクションを楽しめる機能。恋愛、冒険、推理などジャンル別に用意され、ユーザーは自分のキャラを自在に登場させられる。まずはモバイルアプリでの提供が開始される予定で、夏にはユーザーが独自にシナリオを制作・公開できるツールも登場するという。
一方、Streamsは2体のキャラクターを自動対話させ、その内容を動画化する機能で、今週中にWebとモバイルの両方で提供開始される。
これらの機能とAvatarFXが統合されれば、キャラクターとの対話が単なるテキストベースから、視覚と聴覚を含むインタラクティブな没入体験へと進化する。
これにより、個人ユーザーだけでなく、クリエイターや教育現場、マーケティング分野などでも応用の幅が広がると見られる。
一方で、肖像権やフェイク動画生成への懸念も残る。利用者のモラルと技術提供側のガイドライン整備が今後の鍵となるだろう。