中国AIアプリ「DeepSeek」がイタリアで配信停止 データ保護当局は情報提供を求める
中国のAIアプリ「DeepSeek」は、2025年1月29日、イタリアのAppleおよびGoogleのアプリストアから削除され、利用不可となった。この事態は、AI技術のデータ保護に関する規制強化の一環と考えられ、今後の市場動向に影響を及ぼす可能性がある。
配信停止の背景
DeepSeekは、2025年1月のリリースから短期間でAppleのApp StoreにおいてChatGPTを超えるダウンロード数を記録し、低コストでデータ消費量が少ないAIアシスタントとして人気を博していた。
しかし、イタリアのデータ保護当局は、同アプリが収集する個人データの種類、収集元、使用目的、法的根拠、そしてデータが中国に保存されているかどうかについての情報提供を求め、20日以内の回答を要求した。この調査は、DeepSeekが欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に適合しているかを確認するためのものである。
GDPR違反による罰則と市場への影響
GDPR(※)に違反した場合、企業は最大で2000万ユーロまたは全世界年収の4%のいずれか高い方の罰金を科される可能性がある。過去には、MetaがEUユーザーの情報を米国に転送したとして、12億ユーロの罰金を科された例もある。
DeepSeekの急成長は、AI関連株に対する投資家の心理を変化させ、OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiなどの既存の大手AI企業に対する競争環境を変える可能性がある。今後、DeepSeekが規制当局の要求にどのように対応し、EU各国の規制強化の中で市場での立ち位置をどのように確保するかが注目される。
現時点では、DeepSeekがイタリアのデータ保護当局の具体的な要求にどのように対応するかについての詳細は不明である。最新の情報を得るためには、イタリアのデータ保護当局の公式発表や関連ニュースには注目していきたい。
※GDPR(一般データ保護規則): EUにおける個人データ保護のための規則。
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