AIロボットをトークン化 TokenFiがRWA市場に新機軸、フロキのミニボットを資産化へ

2025年5月20日、RWA(現実資産※)トークン化に特化するTokenFiが公式X(旧Twitter)にて、AIロボット「フロキ ミニボットM1」のトークン化を実施すると発表した。RWA技術の新たな応用例として注目されている。
AI搭載ロボットが世界初のトークン化へ
TokenFiは、RWAのブロックチェーン化を推進するフロキの姉妹プロジェクトであり、仮想通貨領域での存在感を拡大している。そのTokenFiが新たに着手するのが、ライス・ロボティクスが開発したAIロボット「フロキ ミニボットM1」のトークン化だ。
この取り組みは、TokenFiが2025年5月23日に公開を予定するRWAトークン化モジュールのリリースと同時に行われ、同日にはミニボットM1トークンのプレセールも開始される。
当初は、RICE AIのホワイトリストに登録されたユーザーおよびフロキエコシステムの参加者が対象となる。
また、RICEトークンの発行と、FLOKIおよびTOKENトークン保有者向けのエアドロップ施策も同時展開される予定で、TokenFiはCoinDeskへのコメントで「AIロボットがトークン化されるのは史上初であり、業界全体にとっても画期的な瞬間になる」と強調した。
フロキ ミニボットは、コンパクトで自律的に動作する配送・コンパニオン型ロボットで、RICE AIシステムを基盤としている。開発元のライス・ロボティクスは、Nvidiaやソフトバンク、三井不動産、セブン-イレブン・ジャパンといった企業との提携実績を持つ。
RWA市場に革新 Web3とAIの融合が進む可能性
AIロボットのトークン化は、現実資産の新たなカテゴリを開拓し、Web3分野の応用範囲を広げる可能性を秘めている。TokenFiはブロックチェーンを活用し、あらゆる現実資産をオンチェーンで扱うインフラ構築を目指しており、今回の動きはその象徴的事例といえる。
このモデルにより、AIロボットの開発・運用に必要な資金を分散的に調達できるほか、ロボットの利用・稼働に応じた収益分配など新たなエコノミクスの構築が視野に入る。
RWA市場の拡大に伴い、物理資産のデジタル化とその流動化は、企業や投資家にとって新たなリターンの源泉となる可能性がある。
TokenFiによるRWA構想はまだ始動したばかりだが、今後複数の資産がトークン化されれば、AIロボットに続く第二、第三のプロジェクトが展開されることも考えられる。
CoinGeckoによると、TOKENトークンは発表直後から急騰し、24時間で19%上昇するなど市場の反応も良好だ。
一方で、ロボットの性能、稼働状況、維持管理など物理的リスクや不確実性も含まれるため、適切な情報開示とガバナンス体制が求められる。実物資産を扱う以上、従来の仮想通貨トークンよりも高度な監視体制と規制準拠が不可欠となるだろう。
※RWA(Real World Assets):不動産や証券、金などの現実世界に存在する資産をブロックチェーン上でデジタル化(トークン化)して扱う概念。近年、DeFiやWeb3領域で注目されている。