AI起業家・安野貴博氏が参院選出馬を表明 新党「チームみらい」結党で政界進出へ

2025年5月8日、AIエンジニアで起業家の安野貴博氏(34歳)が、7月に実施予定の参議院選挙に比例代表で出馬すると発表した。
新党「チームみらい」を自ら立ち上げ、代表として政界入りを目指す。技術革新を軸とした新しい政治の幕開けを掲げる構えだ。
「誰も取り残さないテクノロジー社会」へ 都知事選から国政へと広がる構想
東京都内で開かれた記者会見で、安野氏は「テクノロジーで誰も取り残さない東京をつくる」という自身の信念を改めて強調した。
今回の出馬にあたり、既存の政治に対する「アップデート」の必要性を訴え、スピード感を持って変革を実行する手段として国政政党の設立に踏み切ったという。
安野氏は1990年生まれ。
東京大学工学部を卒業後、外資系コンサルティング会社を経てAIスタートアップを創業した経験を持つ。
SF作家としても活動し、テクノロジーと社会の接点に対する深い洞察を有する人物だ。
2023年の東京都知事選では、AIを活用した24時間対応の市民質問サービスを導入するなどのユニークな施策を展開し、全体で5位となる約15万票を獲得した。
テクノロジーで政治を変える挑戦、「チームみらい」が新たな選択肢を示すか
AI起業家・安野貴博氏による政界進出の表明、特に、彼が掲げる「誰も取り残さないテクノロジー社会」という理念は、日本の政治に新たな風を吹き込む可能性がある。
一方で、テクノロジー偏重への不安もある。
技術の利活用は政策の有効性を高める一方で、データ管理や倫理問題への慎重な対応が欠かせない。
特にAI活用による行政サービスにはプライバシーの問題がつきまとうため、政策の透明性と説明責任が今後の信頼構築に直結すると言える。
安野氏の出馬は、テクノロジー分野から政治に参入する新たなモデルケースとして注目できる。2023年の都知事選で得た15万票という結果からも、一定数の得票が見込まれる可能性はあるだろう。
今後は、AI・DX(デジタルトランスフォーメーション)を軸とした政策の具体化が鍵を握ると思われる。
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