国内市場シェア1位の生成AIが「DeepSeek-R1」を提供　ニーズに答え検証目的で使用

2025年2月、エクサウィザーズのグループ会社であるExa Enterprise AIは、国内市場シェア1位（※1）の生成AIサービス「exaBase 生成AI」において、新たなオリジナルモデル「DeepSeek-R1」をAzureの米国リージョンで提供開始した。検証目的に特化したこのモデルにより、企業は最新の生成AI技術を安全に試すことが可能となる。

DeepSeek-R1の特徴と提供開始の背景

Exa Enterprise AIは、国内生成AI市場でシェア1位を誇る「exaBase 生成AI」を展開している。新たに提供を開始したDeepSeek-R1は、高性能な生成AIモデルでありながら、主に検証目的での利用を前提としている。この提供形態により、企業は業務導入前に安全性や精度を確認できる環境が整う。

DeepSeek-R1は、業務利用に適した高い性能を持つが、一方で生成AI特有のリスクも抱えている。有害情報の生成リスクや、特定のプロンプトによる制約回避（ジェイルブレイク※2）の懸念が指摘されている。これらの問題に対処するため、Exa Enterprise AIはDeepSeek-R1を完全な商用利用ではなく、検証利用に限定する判断を下した。

Azureの米国リージョンを活用することで、DeepSeek-R1は高性能なクラウドインフラ上で動作する。Azureはスケーラビリティとセキュリティ対策に優れ、企業がクラウド環境での生成AI運用を試行しやすい点も導入の決め手となった。

セキュリティと今後の展望

DeepSeek-R1の提供にあたり、セキュリティ対策は重要な課題となる。
生成AIが不適切な内容を出力するリスクや、トレーニングデータに基づくバイアスの影響は、企業利用において慎重な検討が必要である。Exa Enterprise AIは、DeepSeek-R1を検証用途に限定することで、企業が安全な範囲でAIモデルの性能を試せるよう配慮している。

また、Azureのセキュリティ機能を活用することで、データ保護やコンプライアンス要件を満たす環境を提供することも可能だ。Azureは業界標準のセキュリティ基準に準拠しており、クラウド上でのデータ保護対策も強化されている。

今後、Exa Enterprise AIは生成AIのさらなる発展を見据え、DeepSeek-R1の提供範囲や機能拡充を検討していく方針だ。企業のニーズに応じた柔軟なサービス提供を行いながら、より安全で高性能な生成AIの実現を目指す。

※1出典：デロイト トーマツ ミック経済研究所「法人向け生成AI導入ソリューションサービス市場動向 2024年度版」https://mic-r.co.jp/mr/03170/

2024年8月13日付プレスリリース：「exaBase 生成AI」が 「法⼈向け⽣成AI導⼊ソリューションサービス市場動向 2024年度版」 において市場シェア1位を獲得https://exawizards.com/archives/27919/

※2ジェイルブレイク：AIモデルに対し特定のプロンプトを用いることで制約を回避し、通常は生成されない出力を得る手法を指す。