米メタ・プラットフォームズ社、「メタAI」有料版を2025年第2四半期に試験導入か

米国のメタ・プラットフォームズ社が、「メタAI」の有料サブスクリプションサービスを2025年第2四半期に試験導入する計画であることを、2025年2月27日に関係者が明かした。
このサービスは、オープンAIやマイクロソフトが提供する高度な生成AIサービスと競合するものとなる見込みだ。
メタAIの有料サービス計画と競合状況
「メタAI」は、大規模言語モデル(LLM ※)を活用したバーチャルアシスタントであり、ユーザーの質問に対して自然言語で応答する機能を持つ。
2023年9月に初めて提供が開始され、現在はフェイスブックやインスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップなどのプラットフォームで利用可能だ。
今回の有料サブスクリプションサービスの試験導入は、2025年第2四半期に開始される予定である。関係者によれば、このサービスによって有意義な収益を上げるのは早くても2026年になる見通しであるという。
さらに、「メタAI」を独立したアプリとして提供する計画も進められており、こちらも2025年第2四半期にリリース予定であるとのことだ。
しかし、現時点でメタ社は本計画に関して公式にコメントを出していないため、今後の発表が期待される。
今後の展望
生成AI市場は急成長しているため、メタ社もその波に乗る必要があると考えられる。
現在はChatGPTやCopilotが市場をリードしているが、メタが独自の強みを活かし、エンタメやSNS領域に特化したAIサービスを展開すれば、差別化が可能となるだろう。
たとえば、Instagramのクリエイター向けに高度なコンテンツ生成機能を提供するなど、メタのエコシステムに最適化されたAIの活用が鍵となる。
また、「メタAI」の価格設定と機能のバランスも重要になると思われる。
有料版がどのような機能を提供するのか、競争力のある価格設定を実現できるのかが、ユーザー獲得の成否を左右すると言える。無料版との差別化が不十分であれば、有料版への移行は進まないだろう。
独立アプリとしての展開がどの程度成功するかも注目点だ。
SNSユーザー以外の層にどれだけ訴求できるかも、事業の拡大に影響を与えるはずだ。特に、ビジネス用途や専門分野への進出が鍵となるかもしれない。
※大規模言語モデル(LLM):膨大なテキストデータを基に学習し、人間の言語を理解・生成する能力を持つAIモデル。自然な対話や文章生成を可能にする。