中国の若手囲碁棋士、AI不正使用で8年間の出場停止処分

中国メディアのIT之家は2025年2月27日、中国の若手囲碁棋士である秦思玥(チン・スーユエ)二段が、全国囲碁選手権女子組の対局中に人工知能(AI)を使用した不正行為により、中国囲棋協会から8年間の出場停止処分を受けたと報じた。
この処分には段位の剥奪や成績の抹消も含まれており、囲碁界に大きな波紋を広げている。
AI不正使用の詳細と厳しい処分
事件は2024年12月15日に開催された全国囲碁選手権(個人)女子組で発生した。
対局中、審判が秦二段の所持品を検査した際、携帯電話を発見した。さらに、その携帯電話でAIソフトウェアが稼働していたことが確認された。会場の映像や関係者の証言からも、秦二段が対局中にAIを使用していた事実が明らかになった。
中国囲棋協会は、この不正行為を「深刻な状況」と位置づけ、以下の厳しい処分を決定した。
まず、8年間の公式戦出場停止。次に、秦二段の段位剥奪。
さらに、2024年全国囲碁選手権(個人)での成績を無効とし、協会およびその関連団体が主催または認可するすべての大会や活動への参加を禁止する措置が取られた。
若手有望棋士への影響と囲碁界の今後の展望
2006年生まれの秦思玥二段は、14歳でプロ入りを果たし、将来を嘱望されていた若手棋士であった。しかし、今回の不正行為により、そのキャリアは大きな打撃を受けることとなった。協会の聴取に対しても、当初は事実を隠蔽しようとする姿勢が見られたとされ、処分の厳格さに影響を与えたと考えられる。
この事件は、囲碁界におけるAI技術の使用に関する倫理的問題を再び浮き彫りにした。AIの進化に伴い、公平性を保つためのルール整備や監視体制の強化が求められている。
今後、同様の問題を未然に防ぐため、業界全体での議論と対策が急務となるだろう。
さらに、今回の事件は、囲碁競技におけるAIの影響をより広く考察する契機となった。
現在、AIは棋士の学習ツールとして広く活用されているが、試合中の使用は禁止されており、ルールの徹底が求められる。特に、携帯端末の小型化や通信技術の進化により、試合中にAIを使用する手口も巧妙化しているため、監視体制の強化が急務だ。
また、中国囲棋協会は今後、試合中の電子機器の持ち込み規制をさらに厳格化する方針を示している。具体的には、金属探知機の導入や、対局者の持ち物検査の強化が検討されている。
さらに、国際囲碁連盟(IGF)もこの問題に注目しており、今後、国際大会でもより厳しいルールが導入される可能性がある。
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