DeepSeek、AIモデルへのアクセスを再開　競争激化する市場での戦略とは

2025年2月26日、中国のAIスタートアップDeepSeekは、約3週間の停止期間を経て、同社のコアプログラミングインターフェースへのアクセスを再開した。サーバーリソースの制約により一時的にクレジットの追加を停止していたが、現在は再び可能となっている。この動きは、AI市場の競争激化を背景に、同社の事業戦略の転換点となるのではないか。

DeepSeekのサービス再開とAI市場への影響

DeepSeekは2月前半から、サーバーリソースの逼迫により、AIモデルへのAPIアクセスを制限し、クレジットの追加を停止していた。しかし、約3週間の調整期間を経て、クレジットの追加を再開し、利用者は再び同社のAIモデルを活用できるようになった。

再開後もサーバーリソースの制約は続いており、特に日中の利用には制限があるとされる。だが、DeepSeekのAIモデルは中国国内で普及しており、特に電子商取引業界での導入が進んでいる。最近では、中国のEC大手アリババが同社の最新モデル「QwQ-Max」を導入したことが明らかになった。このモデルは、自然言語処理やコード生成能力に優れ、競合他社の技術と比較しても高い性能を持つだろうと考えられている。

DeepSeekの成長と並行して、AI市場では競争が一層激化している。特にアリババは530億ドルの投資計画を発表し、AIインフラの強化を進めている。こうした動きは、AI技術の発展を加速させる一方で、市場シェアの争奪戦をさらに激化させる要因となるのではないか。

技術のオープン化と今後の展望

DeepSeekは、競争力を高めるための戦略として、主要なコードとデータの一般公開を計画している。これにより、開発者が同社の技術を活用しやすくなり、エコシステムの拡大が期待されるだろう。同時に、技術の透明性が向上し、他の企業との連携が進む可能性も考えられる。

一方で、技術のオープン化（※）にはリスクも伴う。競合他社がDeepSeekの技術を基に独自のAIモデルを強化する可能性もあり、市場での優位性を維持するためには、継続的な技術革新が求められる。

今後、DeepSeekはAIモデルのさらなる改良と市場拡大を目指し、新たな戦略を打ち出す可能性がある。競争が激化する中で、同社がどのような動きを見せるのか、今後の展開に注目が集まる。

※ 技術のオープン化：ソフトウェアやデータを公開し、開発者や企業が自由に利用・改良できるようにすること。AI分野では、研究の進展や市場の活性化を目的として採用されることがある。