トヨタの中国合併社「一汽トヨタ」、テンセントクラウドを通じDeepSeekのAIを導入

2025年2月26日、トヨタ自動車と中国第一汽車集団の合弁会社「一汽トヨタ」傘下の「一汽トヨタ自動車販売」が、テンセントクラウドのLKE(LLM Knowledge Engine:大規模言語モデルナレッジエンジン)を通じてDeepSeekのAI活用サービスを導入したことがわかった。
中国市場で加速するトヨタのAI戦略
一汽トヨタは、中国国内での競争力向上を目指し、AI技術への投資を加速させている。特にオンラインカスタマーサービスや電話応対の迅速化が課題とされ、そこでテンセントクラウドが開発する大規模言語モデルLKEに基づいたDeepSeekの導入が決め手になったとみられる。
従来は問い合わせの多様化に対応しきれず、顧客の不満が高まっていた状況だったが、新たなAIシステムを組み込むことで応対品質が一気に向上したと報じられている。さらに、システム運用や保守作業でもAIが担当者へ的確な指示を自動生成し、業務の精度とスピードを両立できるようになったと考えられる。
この取り組みは、デジタル化が進行中の中国市場に即応しようとするトヨタの姿勢を反映しており、ブランド価値の強化にも寄与すると期待されている。
RAG技術とAIがもたらす高い解決率
一汽トヨタはテンセントクラウドのLKE導入後、AIアシスタントによる問題解決率が問い合わせ全体の37%から84%へと大幅に向上した。わずか1カ月の運用で1万7000件の課題を処理し、顧客満足度とサービス効率の両面が飛躍的に改善した点は、AI導入の成果として大いに注目に値する。
今回の提携で重要な点は、一汽トヨタがテンセントクラウドのRAG(検索拡張生成)技術(※)を利用することだ。これによって、DeepSeekは一汽トヨタ独自の製品知識や運用データを深く理解した上で、ユーザーの意図を正確に把握しながら必要な情報を効率よく提示できる体制が整備されている。
これには事業全体のコスト削減効果も見込まれ、今後は他の業界でも同様の仕組みが活用される可能性が高まっているといえる。
※RAG技術(検索拡張生成):膨大なデータから最適な情報を瞬時に検索し、文章生成と組み合わせることで、ユーザーの意図に合った高精度な応答を実現する仕組みを指す。近年注目されるAI技術の一種。
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