中国・上海のAI展示会で「ディープシーク」が脚光を浴びる

2025年2月21日から23日にかけて中国・上海で開催されたAI技術展示会で、新興企業「ディープシーク」が開発した生成AI搭載製品・サービスが注目を集めた。
中国政府主導でAI・ロボット技術の発展を目的としたこのイベントに、国内外から多くの企業が参加した。
展示会で注目を集めた「ディープシーク」の技術
展示会では、ディープシークが開発した生成AIを活用した多様な製品・サービスが展示され、来場者の関心を集めた。
同社が開発したAIモデルは、文書作成やデータ分析といった業務効率化に貢献することが期待されているオープンソースモデルである。
特に、知識蒸留(※)と呼ばれる手法を用いることで、低コストかつ高性能な性能を実現している。この手法は、大規模なデータセットを必要とせず、短期間でAIモデルを訓練することを可能にしている。
これが中小企業やスタートアップにとって特に大きな利点となり、今回の展示会につながったようだ。
一方、デメリットも考えられる。オープンソースであることは利便性を高めるが、知的財産権の管理やセキュリティ面で懸念が生じる可能性がある。
特に、企業が独自技術を組み込んだ場合、その情報が他社に流出するリスクが高まるだろう。
また、中国政府の支援を受けることで国内市場では優位性を持てるものの、海外展開の際に規制や政治的な影響を受ける可能性も否定できない。特に米国や欧州では、中国のAI技術に対する警戒感が強まっており、貿易摩擦や規制強化の対象となるリスクがある。
今後の展望予測
AI展示会において「ディープシーク」が注目を集めたことは、中国のAI市場の成長を象徴していると言える。今後、この分野ではさらなる競争が激化し、より高度な技術が求められるだろう。
特に、知識蒸留の手法が進化すれば、小規模なデータセットでも高精度なモデルを開発できる可能性が高まり、AI開発のハードルが一層下がることが予想される。
ただし、AIに対する中国政府の支援が強化される一方で、国外市場との関係は慎重に見極める必要があるだろう。
規制の影響を受けずに技術を展開するためには、グローバルなスタンダードに適合した開発や、透明性の確保が不可欠となるだろう。また、オープンソースモデルの発展に伴い、企業がどのように収益化するかは重要な課題となる。
単なる技術提供にとどまらず、サービスやソリューションとしての展開を強化することが求められるのではないだろうか。
※知識蒸留: 大規模なモデルから小規模なモデルへ知識を伝達する機械学習の技術。大規模モデルの持つ知識を小規模モデルに効率的に継承させることで、小規模モデルでも高い性能を発揮できる。
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