大阪ガス、大阪・関西万博での合成メタン製造実証設備を公開

大阪ガスは2025年2月18日、大阪・関西万博における実証実験で稼働させる、「合成メタン」の製造設備を報道陣に公開した。実証実験は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みである。合成メタン製造設備は2030年までの商用展開を目指しており、今回の実証実験はその判断材料となる見通しだ。

実証実験の概要と技術的背景

大阪・関西万博は2025年4月に開幕する国際的なイベントであり、日本政府と大阪府が主催する。合成メタン製造の実証実験は、温室効果ガス削減と持続可能なエネルギー利用の実現を目指す技術試験として企画された。

合成メタンは、万博会場で発生する生ゴミからのバイオガス中に含まれる二酸化炭素と、再生可能エネルギーを用いて電気分解により製造される「グリーン水素」とを反応させ生成する。既存の都市ガスインフラを活用できる点に大きな意義があり、迎賓館の厨房での調理用途に供給される予定だ。
最新の反応触媒や電解技術が導入され、温室効果ガス排出の抑制と化石燃料依存の低減に寄与する仕組みとなっている。

大阪ガスの伊藤大樹副課長は、技術の認知度向上が急務であり、万博を契機として広く普及させる狙いがあると述べた。

これまでの実績と最先端技術の融合により、2030年までの商用化を目指す計画が具体化されつつあり、関係機関が連携して検証を進める中で、国際的な評価も高まる見通しだ。今後の実験結果が、持続可能なエネルギー供給体制の転換点になる可能性が示唆される。

補足情報と今後の展望

今回の実証実験は、万博という国際舞台で技術評価が行われると同時に、従来のエネルギーシステムへの革新を促す取り組みとして注目される。実験設備の最適化や反応プロセスの改善が進められ、温室効果ガスの大幅な削減効果が期待される。

現場では、最新技術の導入により、合成メタンの安定供給と品質の向上が図られる。関係者は、海外の技術動向も注視しながら、国内外での連携強化を模索している。

万博期間中の実証実験で得られるデータは、今後のエネルギー政策や商用展開の判断材料となるだろう。合成メタンは、従来の化石燃料に代わる新たなエネルギー資源として期待される。

エネルギー安定供給や経済効果の面でもプラスの影響が見込まれ、2030年以降の実用化に向けた布石として、多方面からの注目が集まっている。各方面で進む研究開発の成果が、次世代エネルギー社会の実現に寄与するであろう。