リップル、米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を1億ドル発行へ 規制対応と実需の融合が進む

米リップル社は2025年4月1日以降、米ドルに連動したステーブルコイン「RLUSD」を1億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)分発行していると、4月3日に報じられた。これは、分散型金融(DeFi)領域での実需の高まりと、XRP Ledger上の新たな規制対応機能の導入が背景にある。
ステーブルコイン「RLUSD」、急速な発行拡大の背景にある“需要”と“信頼性”
2024年4月1日、リップル社は新たに5000万ドル相当の「RLUSD(Ripple USD)」を発行し、さらに2日後には追加で5000万ドル分を発行した。
合計1億ドルという急拡大は、比較的新しいステーブルコインに対する市場の需要が高まっている証左といえる。
発行スピードの背景には、同社の決済製品にRLUSDが正式に組み込まれたことがある。決済プロバイダーのBKK ForexやiSendがすでに導入しており、実需による後押しがうかがえる。
RLUSDは米ドルに1:1で連動するステーブルコインであり、その価値は米ドル預金、短期米国債、現金同等物によって完全に裏付けられている。
価格安定性のためには裁定取引が機能しており、RLUSDが1ドルを下回ればトレーダーが買い支える動きが生じ、逆に1ドルを上回れば供給が増える仕組みだ。この1:1の準備制度が信頼性の源となっている。
また、RLUSDはXRP Ledgerとイーサリアムの両チェーン上で提供されており、相互運用性の面でも強みを持つ。
加えて、2024年1月にXRP Ledger上で導入された「クローバック」機能が、規制対応力を飛躍的に高めた。これは発行者が特定条件下で誤送信や違法行為に関連するトークンを回収できる仕組みであり、機関投資家の参入を後押しする材料になっていると考えられる。
市場競争の加速とXRPエコシステムへの波及 RLUSDの中長期的な展望とは
RLUSDの拡大は、既存のステーブルコイン市場にも影響を及ぼす可能性がある。
現在市場を支配しているのは、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)といった老舗ステーブルコインだが、リップル社の豊富な決済ネットワークや金融機関との連携力は、これらに対抗する強力な武器となるだろう。
特に、XRP Ledger上に構築される分散型金融(DeFi)アプリケーションにおいて、RLUSDの存在感は今後さらに増すと見られる。
これは、RLUSDの導入によってXRPトークンの取引需要も高まり、結果としてXRPエコシステム全体にポジティブな循環をもたらす可能性があるためだ。
つまり、単なる通貨的役割にとどまらず、ブロックチェーン全体の流動性や活用範囲を押し広げる“触媒”としての役割が期待される。
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