GoogleとRoblox、新たなイマーシブ広告「リワード動画広告」を発表

米Googleとゲーム作成・共有プラットフォームのRobloxは2025年4月1日(現地時間)、Roblox上でのイマーシブ(没入型)な「Rewarded Video ads」(リワード動画広告)の提供開始を発表した。
リワード動画広告の詳細
Robloxは日間アクティブユーザー数が8500万人を超える大規模プラットフォームであり、特に若年層をターゲットとする広告主にとって魅力的な市場となっている。
今回発表された「リワード動画広告」は、ユーザーが視聴を選択することで、ゲーム内の特典を獲得できる形式だ。広告はフルスクリーンで表示され、視聴後にはゲーム内アイテムや通貨などが提供される。
この仕組みにより、ユーザーは課金なしでゲームを楽しむ新たな手段を得られる。
また、リワード動画広告は、ゲーム環境に自然に溶け込む没入型広告(※1)の一種として設計されている。例えば、仮想都市のビルボードやバーチャルなスポーツイベントの大型スクリーンに表示される形で実装される。
この方式は、ユーザー体験を損なうことなく、広告の視認性を向上させる狙いがある。
初期テストの結果も好調だ。Robloxによると、リワード動画広告の広告完了率は平均80%に達している。さらに、87%のユーザーがこの広告フォーマットに肯定的な意見を持っていることが明らかになった。
※1 没入型広告(イマーシブ広告):ユーザーがコンテンツを自然に楽しみながら広告を体験できる形式の広告を指す。VRやARを活用した広告や、ゲーム環境に統合された広告がこれに該当する。
今後の展望
今後、こうした没入型リワード動画広告は、メタバースや仮想空間を含む次世代プラットフォームにおける標準的な広告手法の一つとして拡大していく可能性が高い。特にGoogleの「Ad Manager」との連携によって、広告主側は大規模かつ効率的に広告配信を行えるようになる見通しである。
ただし、規模が拡大するにつれて、ユーザーの広告疲れや過剰なインセンティブ依存といった副作用も無視できなくなるだろう。広告とコンテンツの境界が曖昧になりすぎれば、ユーザーの信頼を損なう懸念も出てくる。
したがって、今後はユーザーの年齢層や行動特性に応じた広告ガイドラインの整備が求められる。
加えて、リワードの質や価値のバランス設計においても、各ゲームクリエイターの創意工夫が試されることになる。
最終的には、広告が単なる収益手段にとどまらず、ゲーム体験の質そのものを向上させる要素として機能するかどうかが、成功の鍵になると言える。