Apple、ヘルスケアアプリに「AI健康コーチ」搭載と報道 2026年リリース予定

2025年3月30日のブルームバーグの報道によると、Appleは健康管理アプリ「Health」にAIを活用したパーソナルコーチング機能を追加する計画であるという。
現在、この機能は「Health+」と呼称されているとのことだ。
この新機能は、ユーザーの健康データに基づいた個別のアドバイスを提供するもので、2026年春から夏にかけてiOS 19.4とともにリリースされる見通しだ。
AIと医療専門家の知見を組み合わせた次世代健康管理システム
Appleが推進するこの新プロジェクトは、同社がこれまで培ってきた健康管理技術をさらに発展させるものであると考えられる。
新サービスは、Apple Watchをはじめとする医療機器から収集されたデータを基に、AIがユーザー一人ひとりに最適化された健康アドバイスを提供する仕組みを実現する。
食事追跡システムなども含まれる見込みで、ユーザーが日々の食生活をモニタリングできる環境が整えられる計画だ。
このAIシステムは現在、Apple社内の医師から提供されたデータでトレーニングされている。今後は、より多くの医療専門家を招聘することで、健康関連のビデオコンテンツ制作も進められるとのことだ。
パーソナライズされた健康管理のアプローチを重視する同社の戦略は、競合するGoogle FitやSamsung Healthとの差別化を図るための施策であると考えられる。
Appleのデジタルヘルス市場への挑戦、今後の展望は
この「Health+」プロジェクトは、2023年4月にブルームバーグが報じた「Quartz」というコードネームの開発計画に端を発していると考えられる。
当時の報道によれば、AIを活用した健康コーチングサービスは、運動習慣の改善や食生活の最適化、睡眠の質向上をサポートする目的で開発されていたという。
当時と比べ、AIを取り巻くテクノロジーは飛躍的に進歩した。
Appleも独自のAIモデルである、「Apple Intelligence」の開発、および最新機器への実装を進めており、デバイス内で処理が完結することによる安全性を強みとしている。
今回再びヘルスケアアプリへのAI導入が報道された背景には、AI技術の向上という要因が考えられるだろう。
ただ、OpenAIのChatGPTや、ライバル企業であるGoogleのGeminiと比較すると、Apple独自のAIサービスの評価は、まだ固まっていないのが実情だ。
デジタルヘルス(※)市場が急速に拡大する中、Appleが自社のAI技術を活かし、どれだけ実用的なアプリを作れるか、注目が集まっている。
※デジタルヘルス:IT技術を活用して健康管理や医療サービスを提供する概念。モバイルアプリやウェアラブルデバイスを通じて、個人の健康データを収集・分析し、健康促進や疾病予防に役立てる取り組みを指す。
参考:ブルームバーグの記事