みずほPayPayドームに完全レジレス店舗が本オープン

2025年3月28日、福岡県のプロ野球本拠地であるみずほPayPayドーム福岡において、完全ウォークスルー型のレジレス店舗「HAWKS Smart Stand Powered by SECURE」が正式にオープンした。
この店舗は、アプリの事前登録が不要で、クレジットカードのみで入店から決済まで完了する新しいショッピング体験を提供する。
最新技術を駆使した新店舗の特徴
「HAWKS Smart Stand Powered by SECURE」は、天井に設置された24台の監視カメラとAI技術を活用し、顧客の購買行動をリアルタイムで解析するシステムを導入している。
これにより、利用者は入店時にクレジットカードを使用し、商品を手に取ってそのまま退店するだけで、自動的に決済が完了する仕組みとなっている。従来のレジ待ち時間を解消し、スムーズな購買体験を実現している。
さらに、アプリのダウンロードや事前登録が不要であるため、手軽に利用できる点も特徴だ。
店舗では、福岡ソフトバンクホークスの公式グッズをはじめ、生ビールやお弁当、名物の「鷹のアジフライ」など、多彩な商品を取り揃えている。
これらの商品は、店内で指定の袋に入れることで、ドーム内への持ち込みも可能となっている。
営業日はホークス主催のプロ野球公式戦開催日に限定され、実証実験は2025年6月30日まで行われる予定だ。
今後の展望
完全レジレス型の「HAWKS Smart Stand Powered by SECURE」は、現時点ではプロ野球開催日に限定した実証実験として運用されているが、その成果次第では大規模な展開が視野に入ってくるだろう。
特に注目すべきは、アプリ不要かつクレジットカードのみで完結するという手軽さだ。
これは観客の利便性を大幅に向上させるだけでなく、球場の混雑緩和にも直結する。そのため、スポーツ施設や音楽フェス、テーマパークなど、多くの来場者を抱える会場でも導入される可能性が高いと考えられる。
また、AIによる映像解析と決済の自動化は、将来的に購買データの分析や商品配置の最適化にも応用されると予測される。顧客の行動パターンを学習することで、個別最適化された販売戦略の構築も現実味を帯びてくるはずだ。
ただし、プライバシー保護やセキュリティ面での課題も並行して解決していく必要がある。
今回の取り組みが成功すれば、他のプロ野球球場やJリーグのスタジアム、さらには空港や商業施設など、混雑回避とスピードが求められる空間での活用も進むとみられる。
日本国内におけるリアル店舗のデジタルシフトが、いよいよ本格的な局面を迎えたと言えるだろう。