宮内庁、4月1日より公式YouTubeチャンネル開設 若年層へ向けた情報発信を強化

3月28日の報道によると、宮内庁は公式YouTubeチャンネルを開設し、2025年4月1日から動画配信を開始すると発表した。天皇皇后両陛下の公務や皇居の自然などの情報を広く発信する新たな取り組みであり、若年層を含む幅広い世代への情報発信を強化する狙いがある。
天皇皇后両陛下の公務や皇居の自然をYouTubeで公開
宮内庁が公式YouTubeチャンネルを立ち上げる背景には、これまで以上に多様な世代へ向けた情報発信の強化がある。天皇皇后両陛下の公務や行事、皇居内の自然や文化財に関する映像などが順次公開される見通しだ。
特に注目すべきは、これまでInstagramなどでは難しかった長尺の動画も配信される点である。天皇陛下による記者会見の全編映像や、式典、特別行事の様子が詳細に紹介される予定であり、これまで限られた範囲でしか伝えられなかった皇室の活動が、より多くの国民に届くことになる。
公式YouTubeチャンネルでは、コメント機能は無効化される方針だ。宮内庁は、誤解や混乱を避け、正確で落ち着いた情報発信を行うために、視聴者との直接的なやり取りは行わないとした。
一方的な発信であっても、映像そのものが国民に対する貴重な情報提供になると考えられている。
若年層への訴求と広報体制の強化
YouTubeを選んだ理由には、若年層を含む多くのユーザー層へのリーチ力が挙げられる。
宮内庁はこれまでInstagramを活用してきたが、フォロワーの約17%が若年層に留まっていた。この課題を受け、視聴習慣のあるYouTubeを新たな発信拠点としたのである。
さらに、2023年度予算には約2700万円が計上され、広報室の人員も拡充される。専任の映像制作スタッフも加わる見込みで、より高品質で効果的なコンテンツ制作体制が整えられつつある。
これにより、皇室行事や皇居内の季節の移ろいなど、従来伝えきれなかった情報を映像で丁寧に伝えることが期待される。
今後、宮内庁のYouTubeチャンネルは、皇室の活動をより深く理解し、親近感を抱くための重要な情報源となるだろう。動画配信の内容やスタイルが進化することで、視聴者の関心を引き続き集めることが期待される。特に、皇居内の自然や文化財に関する映像は、国民にとって新たな発見となる可能性が高い。
今回のYouTube開設は単なる映像配信に留まらず、国民との新たな接点の創出であり、皇室の在り方をより身近に感じられる試みと位置付けられている。今後の動画配信の内容や発信スタイルの進化に注目が集まる。