Facebookが原点回帰 「友達」タブ追加でかつての姿を取り戻す

米Metaは2025年3月27日、Facebookに「友達」タブを導入すると発表した。
今回の新機能では、友達の投稿やストーリーズ、リールなどが表示され、アルゴリズム(※)による「おすすめ」コンテンツが排除される。かつてのソーシャルメディアの本来の目的に立ち返る狙いがある。
米国とカナダで先行導入され、日本を含む他の地域への展開は未定だ。
Facebookの「友達」タブ導入の背景
Metaは近年、Facebookのフィードが友達の投稿よりも、フォローしていないアカウントの「おすすめ」コンテンツに偏りすぎているとの指摘を受けていた。
特に短尺動画コンテンツの拡充に伴い、リールやグループの投稿が多く表示され、ユーザーが本来求める「友達とのつながり」が薄れてしまっていた。
この状況を受け、Metaは「Facebookの魔法を取り戻す」ことを目的に、「友達」タブの導入を決定した。この動きで、ユーザーは友達の投稿のみを閲覧できる環境を確保できる。
表示されるのは、投稿、ストーリーズ、リール、誕生日、友達リクエストといった、個人間のつながりを重視したコンテンツだ。
このタブは「設定とプライバシー」内からアクセスでき、ユーザーはタブバーにピン留めすることも可能となる。
まずは米国とカナダで先行提供され、その後の展開は未定だが、ユーザーの反応次第では他の地域にも広がる可能性がある。
※アルゴリズム:コンピュータが情報を処理し、最適なコンテンツをユーザーに提供するための計算手法。SNSでは、ユーザーの関心に基づいた投稿を表示する仕組みを指す。
Metaの今後の戦略と展望
「友達」タブの発表に対して、ユーザーは好意的な意見を寄せると予測できる。
「かつてのFacebookが戻ってくる」「ノイズのないフィードが欲しかった」など、歓迎の声が多く寄せられるだろう。
一方で、「すでに友達の投稿を見る習慣がなくなっている」「リールやおすすめが楽しい」といった意見も存在すると思われる。
Metaは、今回の変化がユーザーのエンゲージメントにどのような影響を及ぼすか慎重に見極める必要があるだろう。
Metaは今後、今回のようなFacebookの「OG(オリジナル)」体験を強化させる計画を進めている。かつてのシンプルなソーシャルネットワークの魅力を再認識させ、プラットフォームへのロイヤルティを高める狙いだ。
これが成功すれば、Facebookは再び「友達とつながる場所」としての価値を取り戻すことができるだろう。