日本IBMと東京海上日動あんしん生命、生成AIで「お客さまの声」を分析する新モデルを共同開発

日本IBMと東京海上日動あんしん生命保険は2025年3月26日、生成AIを活用した「お客さまの声」の分類・分析モデルを共同開発したことを発表した。
このモデルは、顧客からのフィードバックを効率的に処理し、サービス品質を向上させることを目的としている。
プロジェクトは2024年に行われた2段階の実証実験を経て進行しており、2025年3月31日以降、本格導入される予定だ。
生成AIで「お客様の声」を迅速かつ正確に分析
本取り組みの背景には、顧客のニーズが多様化し、年間18,000件に及ぶ顧客フィードバックを効率的に処理する必要性があった。
従来、フィードバックの分類は手作業で行われていたが、作業時間の増加や判断のばらつき、重要なキーワードの見落としといった課題があった。
そこで、東京海上は日本IBMと協力し、生成AI技術を活用して業務プロセスの効率化を図ることを決定した。
2024年には2段階に分けた実証実験が行われた。
第1段階では、IBMのAIプラットフォーム「watsonx.ai」を使用し、自然言語処理技術を組み合わせてフィードバックの分類を行った。これにより、分類精度が向上し、担当者が手作業で行う必要があった作業が大幅に削減されたことが確認された。
第2段階では、重要キーワードの抽出や関連性の可視化といった高度な分析機能が試され、さらなる分析の精度向上が実現された。
今後の展開と保険業界へのインパクト
東京海上日動あんしん生命は、2025年3月31日以降にこのモデルを本格導入する予定であり、顧客からのフィードバックの分類・分析プロセスを迅速化する見通しだ。これにより、さらなるサービス品質の向上が期待できるだろう。
将来的には、契約データと組み合わせた詳細な分析を行うことで、顧客ニーズに対する洞察を深め、より精度の高いサービスの提供が期待される。
この取り組みは、保険業界におけるAI技術の活用の重要性を示している。
生成AIを活用することで、顧客からのフィードバックを高い解像度で捉え、迅速に対応する体制を構築することが可能となるだろう。これにより、保険会社は顧客満足度を向上させる新たな手段を得たと言える。
今後、他の保険会社や業界全体にも、この技術の導入が広がることが期待される。