自動検索やパソコンの自動操作も可能に OpenAI、企業向けAIエージェント開発のための新ツールを発表

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OpenAIは米国時間2025年3月11日、企業がAIエージェントを独自開発できる新ツール「Responses API」を発表した。ウェブ検索やファイルスキャン機能を備え、企業はカスタムされた自律的なAIエージェントを構築することが可能となる。
なお、既存のAssistants APIは2026年前半に廃止される見通しだ。

目次

次世代AIエージェントがもたらす変革

Responses APIは、企業がウェブ検索の実行、社内ファイルのスキャン、ウェブサイトのナビゲーションといった機能を持つカスタムAIエージェントを構築するベースとなる。
高度なAIモデルとして、GPT-4o検索が導入され、SimpleQAベンチマークにおいて90%の事実精度を達成したとされる。
正確な回答提供と情報源引用に優れた性能を示すことが期待される。

企業データ活用を促進するファイル検索ユーティリティも注目に値する。
ファイル検索を利用すれば、社内データベースを迅速にスキャンして、必要情報を瞬時に取得できるようになる。これにより、数千、数万のドキュメントから関連情報を瞬時に検索するなど、社内の膨大な情報を素早く利用できるようになることが見込まれる。

さらに、コンピュータ使用エージェント(CUA)の導入も画期的だ。
CUAは、マウスやキーボードなどの操作を自律的に行うことができるAIモデルで、パソコン操作の自動化ができる。これにより、データ入力などの定型業務を自動化する道が開かれた。
CUAについてはセキュリティ強化のため、ローカル環境での実行も可能となっている。

課題と展望

OpenAIは新ツールの発表と同時に、これらがAIエージェントに関する既存問題を完全に解決するものではないという現実的な見解も示した。
新しい検索ツールは従来モデルより高精度だが、事実関連質問では依然として10%のエラー率が存在するという。

またCUAモデルは初期段階にあり、OSでのタスク自動化において信頼性向上の余地が残されている。ただ、これらの機能を使えば社内の業務自動化や、社内情報とリンクしたアシスタントなどの構築ができるようになるだろう。

今回の発表と並行して、新たにオープンソースツールキット「Agents SDK」も発表された。キットは、開発者がAIモデルを内部システムと統合するための支援機能と、AIエージェントの活動監視のための安全策を提供する。
開発コミュニティからは前向きな反応が見られるものの、実際の導入効果については今後の検証が待たれる状況だ。

OpenAIの製品責任者オリビエ・ゴデモン氏は、「AIエージェントのデモと実用アプリケーションのギャップを埋める」と、これからの展望を語った。
OpenAIは2025年をAIエージェントの転換点と位置づけ、単なるデモを超えたビジネス価値創出を目指しているようだ。企業におけるAI活用戦略が問われる中、新ツールが効率化や競争優位にどう影響するか、注目される。

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