Hakuhodo DY ONE、「AIO診断サービス」開始 生成AI時代のSEO最適化を支援

2025年3月5日、博報堂DYグループのデジタルマーケティング事業を手がけるHakuhodo DY ONEが、新たなSEO支援サービス「AIO(AI最適化)診断サービス」の提供を開始した。
企業のSEO課題、「AIO診断サービス」でAI時代に対応できるか
生成AI技術の進展により、インターネット検索の構造は大きく変わりつつある。
2022年11月にChatGPTが登場して以降、PerplexityやGensparkなどの新たなAI検索エンジンが台頭し、GoogleやBingといった既存の検索エンジンも生成AIを活用した検索結果を提供するようになった。
この影響で、ユーザーの検索行動にも変化が見られ、特定のキーワードに対するゼロクリックサーチ(※)の増加や検索クエリの多様化が進んでいる。同社によると、これにより生活者へのリーチ機会の損失を懸念する企業からの相談が増えているという。
こうした環境の変化に対応するため、Hakuhodo DY ONEは従来のSEOコンサルティングの一環として、新たに「AIO診断サービス」の提供を開始した。本サービスは、生成AI検索結果の表示状況を分析し、企業が直面する課題を特定できる。
最適なSEO戦略の提案により、企業のデジタルマーケティング精度向上につなげられる見込みだ。
具体的には、企業サイトや競合サイトの生成AI枠での表示状況を調査し、検索流入の傾向を把握する。その結果を基に、SEOの専門研究開発チームが課題を抽出し、改善策を策定する流れとなっている。これにより、企業は生成AI時代に適したSEO対策を講じることが可能になるという。
※ゼロクリックサーチ
検索結果ページで直接情報が表示され、ユーザーがサイトを訪問せずに完結する検索行動。
Google検索における競争力強化に期待
AIO診断サービスの主な対象は、デジタルマーケティングを重視する企業や、オンライン上での可視性向上が求められる業界といえる。特に、EC事業やメディア運営企業、情報発信を行う企業にとって、生成AI時代の検索環境に適応することは重要な課題だろう。
本サービスの提供により、企業はGoogleのAI Overviews(旧SGE)などの生成AI枠への表示を最適化し、検索エンジン上での競争力を強化できると考えられる。
さらに、検索行動の変化に即したコンテンツ戦略の見直しも可能となり、将来的なトラフィックの安定確保にもつながるだろう。
市場全体を見渡すと、競合他社も生成AI対応のSEO支援サービスを展開し始めており、業界全体での競争が激化していると考えられる。
こうした状況の中で、Hakuhodo DY ONEは長年にわたるSEOコンサルティングの経験を活かし、最新の検索動向を踏まえた支援を提供する方針とみられる。
今後も、生成AI技術の進展に合わせた最適なSEO施策を提案し、クライアント企業の成長をサポートすることが期待される。