YouTube、オンラインカジノコンテンツ規制強化 3月19日から施行

YouTubeは2025年3月4日(米国時間)、オンラインギャンブルに関する新たなポリシーを2025年3月19日より導入することを発表した。これにより、Googleが承認していないギャンブルサイトへの誘導や、確実な利益を保証するような表現が禁止される。
日本国内ではオンラインカジノ(※1)が違法とされている背景もあり、今回の規制強化がコンテンツクリエイターに与える影響は大きいと考えられる。
YouTubeの新ポリシーとその背景
YouTubeが3月19日から施行する新ポリシーでは、オンラインギャンブルに関連するコンテンツの取り扱いが厳格化される。
具体的には、Googleが承認していないギャンブルサイトやアプリへの誘導が全面的に禁止され、URLの掲載はもちろん、画像やテキストへの埋め込み、さらには口頭での言及も認められなくなる。
また、「必ず儲かる」などの確実な利益を保証するような表現を含むコンテンツは削除対象となる可能性が高い。
加えて、オンラインカジノ関連の動画には年齢制限が適用される場合がある。
これまで、YouTubeではギャンブルコンテンツに対して一定の規制を設けていたが、今回の強化策により、さらに厳格な管理が行われることとなる。
背景には、未成年の視聴者がギャンブルに興味を持つことへの懸念があると考えられる。
日本において、オンラインカジノを含むオンラインギャンブルは原則として違法とされているため、多くの海外サイトが国内ユーザー向けにサービスを提供しているとはいえ、これらの利用は法律に抵触する可能性があった。
そのため、YouTubeが日本国内の法規制に沿った対応を強化するのは、自然な流れといえる。
規制強化がもたらす影響と今後の展望
この新たな規制は、オンラインギャンブル関連のコンテンツを制作しているYouTuberや配信者に大きな影響を与える。
これまで、ギャンブル系の動画を投稿し、広告収益やアフィリエイトリンク(※2)を活用して収入を得ていたクリエイターは、新ポリシーの適用によって収益モデルの見直しを迫られることになる。
視聴者の安全確保という観点からは、今回の規制強化は一定の効果をもたらすと考えられる。特に、未成年の視聴者がギャンブルに触れる機会を減らすことで、リスクを未然に防ぐ意義は大きいだろう。
また、違法なオンラインギャンブルへの誘導が減少することで、消費者保護の観点からも望ましい影響が期待できる。
今後、YouTubeはさらに規制を強化する可能性がある。
過去の事例を見ても、同社は社会的な要請に応じてポリシーを頻繁に見直しており、ギャンブルに関連するコンテンツに対する監視体制も強化される可能性が高い。
一部のクリエイターにとっては、新たな収益手段の模索が不可欠となるだろう。
※1:オンラインカジノ
インターネットを通じて提供されるカジノゲームの総称。多くの国では規制されており、日本では原則違法とされている。
※2:アフィリエイトリンク
特定の商品やサービスを紹介し、ユーザーがそのリンクを通じて購入や登録を行うことで紹介者が報酬を得られる仕組み。