Amazon、AIエージェント開発専門グループを新設とロイターが報道 AWSチーム内で

Amazonはユーザーや顧客の生活をより自動化するためのエージェント型人工知能に焦点を当てた、AI開発のための新グループを形成したという。2025年3月4日、ロイター通信が報じた。この動きは、AIエージェント技術が同社の次なる数十億ドル規模のビジネスになる可能性を見据えたものである。
AWS幹部スワミ・シヴァスブラマニアン氏が新グループを率いる
ロイターが確認した内部メールによれば、この新グループはAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の幹部であるスワミ・シヴァスブラマニアン氏が率いることになる。シヴァスブラマニアン氏は、以前AIおよびデータ担当のバイスプレジデントを務めていた。
AWSのCEOマット・ガーマン氏は「エージェントAIは、AWSにとって次の数十億ドル規模のビジネスになる可能性を秘めている」と社内メールで述べたという。
Amazonは2月26日に、同社の消費者向け音声アシスタントの最新版である「Alexa+」で、ユーザーからの連続的な問いかけや要望に柔軟に反応できるよう機能を強化したと発表した。この更新はAIエージェント機能の一部であり、今月後半に一部の顧客向けにリリースされる予定だ。
AIエージェントとは、ユーザーがシステムに対してアクションを促す必要なく、タスクを自動化するよう設計されたAIを指す。
ガーマン氏は「私たちには顧客のイノベーションをさらに加速し、より多くの可能性を解き放つ機会があります。そして、AIエージェントがこの次なるイノベーションの波の中核であると固く信じています」と述べ、AIエージェントへの期待をにじませたという。
AWS内部で広範な組織再編も進行中
同日、AWSのシニアバイスプレジデントであるピーター・デサンティス氏も、内部メールでAWS内部の組織再編を発表した。
この再編には、AIグループであるベッドロックとセージメーカー、ならびにハードウェアエンジニアリングをコンピュート組織の下に移動させることや、カスタマーエクスペリエンスとコマースを組み合わせた新しいグループの創設が含まれている。
デサンティス氏はこれらの変更が「イノベーションを加速させる助けになる」と語った。長年Amazonの収益の中心であったAWSにとって、これは重要な組織改革と考えられる。
AmazonはChatGPTのOpenAI社の元社員が創立したAI企業、Anthropic社への投資などを通じて、AI技術への投資を強化してきた。今回の動きも、グーグルやマイクロソフトといった競合他社との技術競争において、優位な位置を獲得しようとする試みの一環だろう。
エージェント型AIの専門グループ設立は、アマゾンがこの分野でのリーダーシップを確立するための重要なステップとなる可能性が高い。