韓国、2025年3月から「AI教科書」を導入 教育制度が大きく変革へ

2025年3月より、韓国の教育制度に人工知能(AI)を活用したデジタル教科書「AI教科書」が導入された。AI教科書は英語、数学、情報の3科目で導入され、小学校3・4年生、中学1年生、高校1年生が対象となる。個別最適化された学習が可能になり、教育現場の負担軽減が期待されている。
AI教科書の導入と期待される教育の個別最適化
韓国の教育制度はこれまで一律のカリキュラムに基づく授業が主流だった。しかし、近年の教育改革では、生徒の習熟度に応じた学習環境の整備が求められている。こうした背景から、2025年の新学期より、一部の学校でAI教科書が導入されることになった。
AI教科書は、生徒の学習データをリアルタイムで分析し、理解度に応じた問題を提供する。たとえば、数学の授業では、生徒がつまずいた単元をAIが検出し、追加の演習問題を提示する仕組みだ。これにより、生徒ごとに最適な学習が可能になり、学力の底上げが期待されている。
教員の役割も変わりつつある。従来はクラス全体を対象とした授業が中心だったが、AIの支援により、生徒ごとの理解度を把握しやすくなる。これにより、苦手分野のフォローや個別指導の精度が向上し、生徒一人ひとりに寄り添った指導が可能になる。
AI教科書は2025年の第1学期に全国の約30%の学校で導入される予定だが、各学校の判断に委ねられているため、導入ペースにはばらつきが出る可能性がある。
韓国政府は今後、AI教科書の国内展開を視野に入れている。2025年の導入結果をもとに、対象学年や科目の拡大が検討される見通しだ。
最終的には、全ての生徒がAI教科書を活用できる環境が整備され、韓国の教育制度全体において、個別最適化された学習モデルへと移行させることを目指している。
導入に伴う課題と今後の展望
AI教科書の導入には期待が集まる一方で、いくつかの課題も指摘されている。
その一つが運用の遅れだ。教育行政情報システム(NEIS ※)への必要情報の登録が求められるため、一部の学校では導入初期に1~2週間の遅れが生じる見込みだ。
また、教員が新たなシステムに適応するための研修や準備期間も必要とされている。
生徒の学習スタイルにも変化が求められる。
AI教科書は個別学習を促進するが、デジタル端末を長時間使用することで、集中力の維持や学習意欲の低下が懸念される。対面授業とのバランスをどのように取るかが、今後の課題となるだろう。
※NEIS(National Education Information System):韓国の教育行政情報システム。生徒の成績管理や学校運営の効率化を目的とし、全国の学校で活用されている。
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