中国、AI起業家に米国渡航を控えるよう指示　国家安全保障上の懸念が背景に

2025-03-03

Web3/AI領域に特化した転職エージェント「Plus Web3 Agent」

最先端のテクノロジー領域で働きたい人材と優良企業のマッチングを支援しています。
少しでも興味のある方は、お気軽に「無料キャリア相談」をご利用ください！

キーワードで記事・企業を探す

中国当局は、国家安全保障上の懸念から、AI分野の起業家や研究者に対し、米国への渡航を控えるよう指示している。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）が2025年3月1日、関係筋の情報として報じた。この措置は、技術流出やスパイ活動を防ぐ目的があり、特に高度な技術を持つ人材に対して厳しい監視が行われているという。今回の指示は、中国国内のAI産業の保護を図るための動きと考えられる。

中国のAI技術発展と国家安全保障上の懸念

近年、中国のAI技術は目覚ましい発展を遂げ、生成AI分野においても世界的に注目される成果を上げている。特に、中国のAIスタートアップ企業「DeepSeek」が開発した「R1」は、米国のOpenAIの最新モデルに匹敵する性能を持ち、世界中から高い評価を受けた。
このようなAI技術の進歩は、中国が国際的なAI競争において優位に立つことを示している。
しかし同時に、技術流出やスパイ活動といったリスクが高まり、これが国家安全保障上の懸念を生じさせている。

こうした背景を踏まえ、中国政府はAI分野の専門家や起業家に対し、米国への渡航を避けるよう指示したとのことだ。
特に、国家安全保障に関連する技術や情報を有する人材については、海外での技術漏洩を防ぐため、厳格な監視が行われるようになっているという。

ＷＳＪによると、DeepSeek創業者である梁文鋒氏は、2月にパリで開催されたAIサミットへの招待を辞退したという。また、中国の別の大手AIスタートアップの創業者は、昨年予定されていた米国出張を取りやめたという。

政策の影響と国際的な反応

中国政府による渡航制限は、国内外のAI産業や技術交流に大きな影響を及ぼす可能性がある。

国内では、技術流出を防ぐことでAI分野の保護が進み、国家安全保障が強化されると期待されている。
しかし一方で、国際的な技術交流や共同研究の機会が減少し、グローバルな技術競争力に対する懸念も出てくるだろう。特にAI研究は国際的な連携が重要視されており、渡航制限が続けば、技術革新のペースに遅れが生じる可能性がある。

また、国際社会においては、中国のこの動きに対し、各国がどのような対応を取るかが注目される。他国政府や国際的な企業は、技術盗用やスパイ活動のリスクに敏感であり、中国からの渡航者に対しても独自の対応を強化する可能性がある。

今後、この政策が中国の技術発展や国際的な競争にどのような影響を及ぼすかが注視される。