日立、Oracle Databaseのクラウド移行支援サービスを開始 作業工数や期間を削減し効率的な移行をサポート

株式会社日立製作所(以下、日立)は2025年3月11日、Oracle Databaseを利用した基幹DBシステムのクラウド移行を支援する「クラウド移行支援サービス for Oracle Database」の販売を開始した。
本サービスは、日本オラクルおよび日本マイクロソフトと連携し、国内初となるOracle Database@Azure環境での性能検証を実施した成果を基にしているという。
サービスの詳細と技術的アプローチ
クラウド移行支援サービス for Oracle Databaseは、「検討フェーズ」「クラウド環境構築・移行フェーズ」「マルチクラウド運用フェーズ」の3段階で提供されるとのことだ。
検討フェーズでは、プラットフォームエンジニアが、顧客の要件に応じたアセスメントを提示する。
クラウド環境構築・移行フェーズにおいては、データベース環境の設計・構築・テスト工数を削減することを目的としている。さらに、データ移行の際の業務への影響も最小化できるとのことだ。
また、マルチクラウド運用フェーズは、障害発生時に日立がワンストップで支援を行うサービスだという。
価格は個別見積りで、提供開始時期は、検討フェーズとクラウド環境構築・移行フェーズが4月1日、マルチクラウド運用フェーズが6月末日の予定だと発表されている。
Oracle Database@Azure(※)環境での性能検証では、オンライン処理・バッチ処理・大量データ抽出の3つのDBアクセスパターンに基づき、基幹業務に必要なパフォーマンスを実現するベストプラクティスを確立したという。
これにより、企業はクラウド移行の技術的要件を確認し、移行プロセスの効率化を図ることが可能となるとされている。
顧客へのメリットと今後の展望
クラウド移行支援サービス for Oracle Databaseを利用することで、企業はクラウド移行に伴う作業工数や期間を抑制し、効率的な移行を推進できると考えられる。
さらに日立は、2024年から基幹データを用いたAIユースケースの検証も開始している。
新サービスの提供とAI活用の検証により、企業のデジタル変革の加速が期待できるだろう。
今後の展望としては、クラウド環境の進化に伴い、企業はより柔軟でスケーラブルなシステムを構築できるようになると思われる。しかし、同時に新たな技術的課題やセキュリティリスクも浮上する可能性があるため、企業は慎重に対応していく必要があるだろう。
全体として、日立のサービスは今後のクラウド移行市場において重要な位置を占めることが推測される。
※Oracle Database@Azure:
マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるAzure上で、Oracleのデータベースサービスを利用できる環境のこと。