Google、「Gemini」を大幅アップデート　パーソナライズ機能と無料提供を拡大

2025年3月13日、GoogleはAIチャットボット「Gemini」の大幅なアップデートを発表した。このアップデートにより、ユーザーの検索履歴を活用したパーソナライズ機能の導入や有料ユーザー限定だった機能の無料開放が実現された。さらにGoogleアプリとの統合が強化され、ユーザー体験の向上が期待されている。

パーソナライズ機能と無料提供の拡大、Googleアプリとの統合強化

今回のアップデートで最も注目すべきポイントは、ユーザーの検索履歴を活用したパーソナライズ機能の導入である。新しい「Personalization（experimental）」機能により、ユーザーの過去の検索履歴を参照し、より的確で個別化された応答を提供することが可能となった。

さらに、これまでGemini Advancedユーザーのみが利用可能だった「Deep Research」と「Gems」機能が無料ユーザーにも開放された。
Deep Researchは複雑なトピックに関する徹底的な調査を行い、包括的なレポートを作成する。
GemsはユーザーがカスタマイズしたAIエージェントを作成できる機能であり、個々のニーズに合わせたエージェントを構築することが可能となる。

今回のアップデートではGeminiとGoogleの各種アプリとの統合も強化された。新しいモデルではGoogleカレンダーやKeep、タスクなどのアプリに接続できるようになり、複数のアプリをまたがるリクエストに対応可能となった。

今後の展望

これらの新機能がまだ実験的であることから、Googleはユーザーからのフィードバックを重視し、今後の改善に活かす意向を示している。
またGeminiの利用者数を2025年末までに5億人に増やすという目標を掲げており、今後もさらなる機能拡張やサービス向上が期待される。

今回のGeminiのアップデートは、ユーザーにとって多くの利点をもたらすと言える。パーソナライズ機能の導入によりユーザーは自分の好みに合った情報を迅速に得ることができる。特に、過去の検索履歴を基にした提案は、レストランや旅行先の選択において非常に便利である。
また、Deep ResearchやGemsの無料提供によりAIの活用が広がることが期待される。
さらにGoogleアプリとの統合が進むことで、複数のタスクを一度に処理できる利便性が向上し、日常生活の効率化が図られるだろう。

一方で、パーソナライズ機能にはプライバシーの懸念が伴う。ユーザーの検索履歴の活用は個人情報の取り扱いに対する不安を引き起こす可能性が考えられる。
また現時点において機能が実験的であるため、安定性や信頼性に欠ける部分が考えられる。ユーザーからのフィードバックを重視する姿勢は評価できるが、実際の改善がどの程度迅速に行われるかは未知数である。