韓国のAI技術、米国に1年以上の遅れ 人材不足と報酬格差が課題

2025年2月25日、韓国の劉相任(ユ・サンイム)科学技術相は、国会でのAI関連公聴会において、韓国の人工知能(AI)技術が米国に対して1年以上遅れていると述べた。
この遅れの背景には、人材不足や報酬格差などの問題があり、政府は「国家AI能力強化案」を通じて対策を講じている。
AI技術の遅れと人材不足が浮き彫りに
韓国の情報通信企画評価院が昨年3月に行った調査によると、米国のAI技術と比べた各国の遅れは韓国1.3年、日本1.5年、欧州1年、中国0.9年だった。
さらに、韓国におけるAI研究者の割合も低く、世界上位20%のAI研究者のうち、韓国出身者は約2%にとどまる。これに対し、中国は47%、米国は18%を占めており、韓国の人材不足が深刻であることが浮き彫りになっている。
報酬面でも、韓国は海外と大きな差がある。昨年、博士号を持つAI研究者の初任給は、海外企業で約12億ウォン(約1億2600万円)であるのに対し、韓国国内の企業では約4億1400万ウォンにとどまる。この報酬格差が、優秀な人材の海外流出を招く一因となっている。
こうした状況を受け、韓国政府は「人工知能(AI)国家代表精鋭チーム」を選抜し、生成AIの基盤技術である大規模言語モデル(LLM)の開発やインフラの拡充を進める「国家AI能力強化案」を発表した。
劉相任科学技術相は、AI能力強化のために特化データの開放を拡大し、安全なデータ活用の支援を強化する意向を示している。これらの取り組みが、韓国のAI技術の国際競争力向上につながることが期待されている。
今後の展望
韓国がAI分野での遅れを取り戻すためには、政府の施策だけでなく、産学官の連携が不可欠である。
具体的には、大学や研究機関と企業が協力し、実践的な研究開発と人材育成を推進することが求められる。
また、報酬体系の見直しや労働環境の改善を通じて、優秀な人材の国内定着を図る必要がある。さらに、AI技術の開発においては、人間の能力を補完・拡張する方向性を重視することで、社会全体の生産性向上と新たな価値創造が期待できる。
ただし、これらの取り組みが成果を上げるためには、長期的な視点での投資と継続的な努力が求められる。
また、AI技術の発展に伴う倫理的・社会的課題にも対応し、持続可能な技術革新を目指すことが重要である。総じて、韓国がAI分野での国際競争力を高めるためには、多角的なアプローチと包括的な戦略が必要とされるだろう。
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