宮崎銀行、AI生成の女性キャラクターを専属タレントに起用しプロモーションを強化

宮崎銀行は、AI技術で生成した女性キャラクター「ひなたこ」と「ドリームAI」を専属タレントとして起用し、プロモーション活動を強化する。この取り組みは、AI技術を活用した新たな広告手法として注目されている。

AI生成キャラクター「ひなたこ」と「ドリームAI」の詳細

宮崎銀行は、地域密着型の金融機関として知られ、近年デジタル化を積極的に推進している。その一環として、AI技術を活用したプロモーション活動に着手した。

専属タレントとして起用された「ひなたこ」は、女性行員をモデルにしたキャラクターであり、親しみやすさを持つ。一方、「ドリームAI」は、銀行のシンボルカラーである青い髪が特徴的なキャラクターで、未来志向を象徴している。

これらのキャラクターは、コンピューターグラフィックス（CG）と人工知能（AI）を組み合わせて生成され、自然な表情や滑らかな動きを備えている。

また、単なる広告要素にとどまらず、宮崎銀行の各種プロモーションイベントやSNSキャンペーンにも積極的に登場している。特に、若年層向けのコンテンツでは、従来の広告と比較してエンゲージメント率が向上しており、デジタルネイティブ世代との接点を強化する役割も果たしている。

多角的なプロモーション展開と今後の展望

宮崎銀行は、昨年11月から公式ホームページで「ひなたこ」と「ドリームAI」を活用したプロモーションを開始した。さらに、今月からは新たに制作した動画をテレビCMとして放映し、幅広い層へのアプローチを図っている。加えて、ラッピングバスの運行も予定しており、地域での認知度向上を目指す考えだ。

さらに、AIタレントの活用は宮崎銀行のブランディング戦略において重要な位置を占める。これらのキャラクターは、単なる広告だけでなく、顧客向けのFAQ動画や、銀行サービスの説明コンテンツにも登場し、視聴者の理解を助ける役割を担っている。このような形でのAI活用は、従来の紙媒体や人間の案内役に代わる新たな顧客サポートの手法としても期待されている。

同銀行のメディア戦略室長である花畑晃洋氏は「これまでは融資などの業務で生成ＡＩを活用してきたが、今後は、広告などにも活用を広げていくことで、新しいものにチャレンジしていく姿勢を示していきたい」と述べている。このようなAIタレントの起用は、県内の企業では珍しい試みであり、AI技術の進化と企業のプロモーション戦略の新たな方向性を示すものとして、今後の展開が期待される。

AI技術の発展とともに、デジタル空間での顧客接点が増加する中で、この取り組みが銀行業界全体にどのような影響を与えるのか、今後も注目されるだろう。