トランプ氏の子息のポスト、ビットコインを上昇させる 短期間で約1000ドル押し上がり、9万8000ドルを上回る
暗号資産市場において、トランプ家の発言が市場に与える影響力が注目を集めている。2025年2月6日、ドナルド・トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ氏の一言のあと、ビットコイン価格が約1000ドル押し上がるという事態が発生した。この動きは、トランプ家が支援する暗号資産プラットフォーム、ワールド・リバティ・ファイナンシャル（World Liberty Financial）への投資を促す投稿がきっかけとなった可能性がある。
本稿では、エリック・トランプ氏の発言が市場に与えた影響と、World Liberty Financialの事業展開について詳しく解説する。
トランプ氏の発言と即時の市場反応
2月6日のアジア取引時間帯、エリック・トランプ氏は自身のXアカウントに「BTCに参入するには絶好のタイミングだ。@worldlibertyfi」という投稿を行った。
この投稿は協定世界時（UTC）午前1時41分に行われ、その直後からビットコイン価格は急激な上昇を見せた。具体的には、9万6900ドルから9万7830ドルへと上昇し、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）の先物価格においては9万8000ドルの大台を突破する展開となった。暗号資産の価格は様々な要因で変動するため、エリック氏の発言のみが要因だと断定することはできないが、トランプ家の発言力が暗号資産市場に与える影響力の大きさは示された。
本件は市場の流動性を示し、新規投資家の関心を集めた。
一方で、特定の個人や一族の発言で価格が大きく変動することは、市場の不安定さも示している。投資家にとっては、こうした影響力を持つ人物の動向を注視しつつ、市場の本質的な価値評価も怠らない、バランスの取れた投資判断が求められる。
World Liberty Financialの事業戦略とトランプ家の関与
World Liberty Financialは、ドナルド・トランプ前大統領とその家族が支援するイーサリアムベースの分散型金融（DeFi）プロトコルとして注目を集めている。
2024年10月15日にトークン販売を開始して以来、トランプ家との強力な関係性を活かした事業展開を進めている。同社の特徴として、トランプ家のメンバーが重要な役割を担っていることが挙げられる。
ドナルド・トランプ氏は暗号資産主任代表（Chief Crypto Advocate）として、エリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏はWeb3担当大使（Web3 Ambassadors）として、バロン・トランプ氏は分散型金融統括責任者（DeFi Visionary）として、それぞれプロジェクトに関与している。
事業面では、Aaveとの提携を通じて、従来の金融システムとDeFiの融合を目指している。また、2024年12月にはEthena Labsとの戦略的パートナーシップを締結し、sUSDe（ステーブルコイン）の統合を進めるなど、着実に事業基盤を拡大している。
まとめ
エリック・トランプ氏の発言をきっかけとしたビットコイン価格の急上昇は、政治的影響力を持つ人物の発言が暗号資産市場に与える影響の大きさを改めて示した。また、World Liberty Financialの事業展開は、トランプ家のWeb3分野における影響力拡大を示唆している。
今後は、同社のAaveインスタンス展開やEthena Labsとの提携進展など、具体的な事業成果が注目される。暗号資産市場において、政治的影響力を持つ人物や機関の動向は、より一層重要な投資判断材料となるだろう。
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