Google、飲食店のメニュー画像をAIでテキスト化　店舗情報の更新が手軽に

2025年5月28日、Googleが提供する「Googleビジネスプロフィール」に新機能が追加された。飲食店がメニュー画像をアップロードするだけで、AIが自動で文字起こしし、店主の確認後すぐに公開できる仕組みである。日本国内の店舗も対象となる。

Googleマップの店舗情報更新が画像1枚で完結へ

Googleは、検索およびマップ上に表示される店舗情報の管理機能「Googleビジネスプロフィール」（※）にAIを活用した新たな自動テキスト化機能を導入した。

飲食店の店主は、紙メニューをスマートフォンで撮影するか、PDFとしてアップロードするだけで、AIが画像内のテキストを自動で解析し、メニュー情報として抽出する。
その内容を確認した後、ワンクリックでGoogle上の店舗ページに公開できる仕様で、煩雑な入力作業を大幅に省略できる。

さらに、電子マネーやクレジットカードなどの対応決済サービスを示すロゴの表示機能や、予約サイトに掲載されているクーポン情報を直接Google上に反映する新機能も同時に実装された。
ユーザーはスマートフォンで店舗検索を行うだけで、ぐるなび、食べログなどの予約サイトのクーポン情報をGoogle上で確認でき、詳細については各予約サイトへスムーズに移動して取得可能となる。

※Googleビジネスプロフィール：店舗オーナーがGoogle上の自店舗情報を管理・編集できる無料サービス。営業時間やメニューなどの情報を直接反映できる。

導入の手軽さがもたらす集客支援と注意点

今回のアップデートにより、特に小規模な飲食店における情報発信のハードルが劇的に下がると思われる。
従来はウェブサイト制作や専門知識が必要とされていた店舗情報の管理が、写真1枚で完結する仕組みにより、ITに不慣れな店主でも導入しやすくなるだろう。
また、情報の更新頻度が上がることで、ユーザーにとっても信頼性の高い店舗選びが可能になるはずだ。

また、AIによる画像解析精度の向上により、メニュー情報の自動抽出の正確性も高まっていると思われる。店舗側の負担軽減につながると同時に、情報収集を行うユーザー体験も向上するだろう。

一方で、メニュー内容の変動や季節限定品など、リアルタイムでの更新が求められる情報には注意が必要だ。自動化の恩恵を最大化するには、店主自身が最終確認を怠らないことが前提となる。今後は、他業種への応用や、レビューとの連動といった拡張も想定できる。
Googleビジネスプロフィールは、「店舗の公式情報源」としての地位をさらに高めていくのではないだろうか。