マイクロソフト、OneDriveを刷新　AI共有機能と利便性を大幅強化

2025年5月8日、米マイクロソフトはクラウドストレージサービス「OneDrive」の大規模アップデートを発表した。
AIアシスタント「Copilot」の機能強化や新しい共有リンク「ヒーローリンク」の導入により、業務効率や情報共有の精度が向上する見通しである。

AIで進化するクラウドストレージ　Copilotとヒーローリンクが切り開く次世代共有環境

マイクロソフトが刷新したOneDriveでは、AIアシスタント「Copilot」の活用が核となっている。
特に注目したいのが、文書の要点を瞬時に抽出し要約する機能だ。WordやPDF、会議議事録などを対象に、AIが情報を整理し、音声コンテンツとして出力する「Audio overviews」が追加された。
これにより、移動中でも内容の把握が可能となる。

さらに、画像認識機能が強化され、画像内のオブジェクトやテキストの自動抽出が可能になった。
視覚情報をテキスト化することで、業務の記録や検索性が飛躍的に高まると考えられる。

一方、共有機能では「ヒーローリンク」が導入された。
従来のように複数の共有リンクが乱立することなく、各ファイルに1つのリンクを紐づけることで、リンク管理が大幅に簡略化された。
加えて、共有時にはCopilotが自動でファイルの概要を生成し、チーム内での事前理解を促進する。

注意点と今後の展望

今後の利用においては注意点も存在する。
2025年9月26日以降、OneDriveのライセンスを保有していないアカウントは読み取り専用に制限され、10月29日にはアーカイブ対象となることが公表されている。
企業や個人での運用方針に応じた対応が必要となることには注意が必要だ。

OneDriveの機能刷新は、単なるクラウドストレージから「情報を活用するための知的基盤」への進化を象徴している。Copilotの導入によって、ユーザーは蓄積された情報の中から必要な要点を短時間で抽出できるようになり、知識の流通が加速する可能性が高い。

今後は、AIの要約・抽出機能のさらなる精度向上や、個人の利用履歴に応じたパーソナライズ機能が進化することが想定される。
ただし、それに比例してプライバシーや情報セキュリティに対する懸念も増すため、利用者側のリテラシー強化も並行して求められることになるだろう。

全体として、OneDriveは今後も単なるデータの保管場所ではなく、AIと連携する情報活用プラットフォームとしての役割を拡張していくと考えられる。