「AIが投資」信じ600万円喪失 SNSきっかけの詐欺、滋賀で被害

2025年3月25日、滋賀県長浜市に住む53歳の無職男性がSNSを通じて「AIが代わりに投資します」と持ちかけられ、合計600万円をだまし取られる事件が発生した。長浜署はこの手口を新手の詐欺とみて捜査を進めている。
SNSで「優良株を知りたい人はLINEください」 AI投資を装う巧妙な誘導
被害男性は、SNS上で「優良株を知りたい人はLINEください」といった投稿を偶然目にし、興味を抱いて投稿者と連絡を取ったという。その後、LINEで“アシスタント”を名乗る人物とやり取りを重ね、「AIがあなたの代わりに株式投資を行います」と勧誘された。
やり取りの中で、専用アプリのインストールも指示され、男性はその仕組みを本物の投資サービスであると信じ込んだ。
被害者はその後、2回にわたり指定された銀行口座に送金。最終的に被害総額は600万円に達した。
「AIによる自動投資」という未来的な仕組みを前面に押し出すことで、被害者の不安感を巧みに和らげていたと見られる。
滋賀県警長浜署はこの事案を詐欺事件として捜査中であり、被害男性以外にも同様の手口で接触された可能性のある人物の情報収集を進めている。
巧妙化する詐欺手口 AIやアプリを装った新手口に要警戒
今回のような詐欺は、AIというワードを用いることで、被害者に「技術的裏付けがある」と錯覚させる点に特徴がある。AIによる投資は一部で実用化が進んでいる分野ではあるが、知識が乏しい状態だと、詐欺師にとって格好のターゲットとなってしまう可能性がある。
AI技術を語る詐欺は、今後さらに巧妙化する恐れがある。
とりわけWeb3やAIに関心を持つ情報感度の高いビジネスマンであっても、絶対に安全とは言えない状況になりつつある。
最新技術に関連した案件こそ、実在するサービスなのか、運営会社や金融庁などの公的機関に確認を取る慎重さが求められるだろう。
金融取引において、見知らぬ人物とのやり取りで資金を移動させることは極めてリスクが高い行為だ。たとえ相手が“AIアシスタント”や“自動投資システム”を名乗っていても、その正体や出所が不明な場合、個人情報の提供や送金は控えるべきである。
テクノロジーの進化と詐欺の手口は表裏一体であることを、あらためて認識すべきタイミングにきているのではないだろうか。
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