Yahoo!ニュース、生成AIによる新機能「AIトピ」公開　重要ニュースを30分ごとに選定

2025年4月23日、Yahoo!ニュースは日本国内向けにiPhoneおよびiPad向けアプリに新機能「AIトピ」を搭載したと発表した。生成AIを活用して重要ニュースを自動選定し、見出しを生成する仕組みであり、情報収集に新たなる風を吹き込むと思われる。

生成AIが編成を担うニュース機能、「AIトピ」の構造と特徴

ヤフーが公開した「AIトピ」は、生成AIによってニュースの選定および見出しの生成を自動化する機能である。
対象はiOS版の「Yahoo! JAPAN」アプリで、アプリ内「ニュースタブ」の最下部に「いま見ておきたいAIトピ」として表示される。

1回の更新で最大20本の記事が取り上げられ、約30分ごとに内容が刷新される点が特徴的だ。

AIトピが活用するのは、コンテンツ利用の許諾を得たパートナー企業から提供される記事群である。これらをもとに生成AIが一定の基準に基づいて重要性を判定し、独自に見出しを構成する。その判断には、公共性や社会的関心の高さが考慮されており、単なるトレンド追従ではなくバランスのとれた情報提供が意図されている。

技術的な背景として、OpenAIが提供するAPIを使用していることが明らかにされている。
ただし、生成AIによって出力された内容について、Yahoo!側はその信頼性や正確性を保証していない。

ユーザーは提示された情報に対して一定のリテラシーを持ち、批判的に受け取る姿勢が求められるだろう。

「AIトピ」が拓くメディアの新境地　展開予定とユーザー体験の変化

 現在、AIトピはiOSアプリ限定の機能として提供されているが、今後はAndroid版やブラウザー版への拡張も視野に入れているという。また、パーソナライズや多言語対応なども期待される。
より多くのユーザーにアクセス可能になることで、情報摂取のスタイルそのものが変容する可能性もあるだろう。

この機能がもたらす最大のインパクトは、ニュース受信の「効率化」にあると考えられる。
利用者は自ら記事を探すことなく、生成AIが抽出した高関連性のニュースに短時間でアクセスできる。特に日々大量の情報を処理する必要があるビジネスパーソンにとっては、大きな時間的メリットとなるだろう。

一方で、AIが選ぶニュースにはアルゴリズムによるバイアスの懸念もつきまとう。
生成AIは中立性を保つよう設計されているが、完全に意図を排除することは困難である。今後は、透明性や選定ロジックの説明責任が企業に求められる局面も増えるだろう。

Yahoo!ニュースが挑む今回の試みは、ニュースの読み手に受動的かつ効率的な体験を提供すると同時に、ジャーナリズムの在り方そのものに問いを投げかけるものになるのではないだろうか。