ドーモ、自律型AIエージェント構築ツール「Agent Catalyst」を発表 企業のデータ活用と意思決定を自動化へ

2025年4月17日、米Domoの日本法人のドーモは、自律型AIエージェントの構築を支援する新ツール「Agent Catalyst」を発表した。
企業の業務自動化と意思決定を支援する設計であり、リアルタイムなデータ活用を通じて、AIのビジネス導入を加速させる狙いがある。
構造的アプローチと新機能で、エージェント構築のハードルを大幅に引き下げ
「Agent Catalyst」は、Domoが展開するAIサービス「Domo.AI」上で動作するツールであり、企業が自律的に行動するAIエージェントを構築できる。
最大の特徴は、LLM(大規模言語モデル)の選択、指示の設計、知識ソースへの接続、使用ツールの割り当てという4ステップでエージェントが設計できる点にある。
これにより、従来は専門知識を要した複雑な設定作業が簡素化され、非技術者でも扱いやすい設計となっている。
同時に発表された新機能も注目に値する。
「DomoGPT」は、Domoプラットフォーム内で安全にホストされる独自LLMで、エージェントの中枢機能を担う頭脳として設計されている。
また「FileSets」はPDFや画像、音声といった非構造化データを管理し、エージェントのナレッジソースを拡張する役割を果たす。
「Semantic Layer」は、データの関係性を可視化し、エージェントがビジネスの文脈を把握するのに不可欠な情報基盤となる。
これらの機能を通じて、単なるチャットボットではなく、業務上の判断と行動を代替するエージェントの実装が現実味を帯びてきた。
生成AIの本格実装へ 業務の中核を担う自律型エージェント時代の幕開け
DomoのJosh James CEOは、Agent Catalystについて「あらゆる規模の企業にとって、AI革命を実現し、具体的な成果を生み出すための強力なツールになる」と強調し、単なるAI導入を超えて、実際に業務に活かす段階へ移行する鍵になると語った。
企業はAI導入の初期段階で「何ができるのか」「どう使えばよいか」でつまずくことが多いが、Agent Catalystによりこの障壁が下げられることで、業務の効率化や迅速な意思決定を可能にするだろう。
一方で、懸念点も存在する。
エージェントが利用する知識ベースの質や更新頻度によっては、誤った判断や提案を生む可能性もある。
さらに、導入コストや社内の運用体制との整合性といった観点から、中堅・中小企業にとってはなお課題となる部分も残されている。
このようなツール群の登場は、生成AIが実験段階から業務の中核へとシフトしつつある現状を示していると考えられる。
今後は、より多くの企業が独自のAIエージェントを持ち、人的負担を軽減しながら競争力を高める姿が現実になっていく可能性があるだろう。