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    AIで食肉の異常を検出、厚労省が実証研究へ 獣医師不足に対応した全国展開の布石か

     2025年4月14日、日本の厚生労働省が食肉の安全検査にAIを活用する実証研究を開始すると報道された。獣医師不足が深刻化する中、AIによる画像解析技術で異常を見つけるこの取り組みは、北海道・茨城県・宮崎県で先行して行われる。
    今後、全国的な導入の可能性も視野に入れられている。

    目次

    深刻な獣医師不足が背景、AIが担う「目」としての役割

    日本各地の自治体では、獣医師の確保が難航している。とりわけ地方では人材不足が顕著であり、全国の自治体職員における獣医師の定員充足率は、約90%を下回っている状況だ。背景には、若手獣医師の多くが都市部の動物病院やペット関連分野を志望する傾向があり、公的業務としての食肉検査が人材確保の面で敬遠されがちという現実がある。

    しかし、食肉の安全検査は食の安全を守る上で不可欠なプロセスであり、法律でも獣医師資格を有する者が担うことが定められている。病変や異常が見つかった場合は該当部位を除去し、適切な処理を行う必要がある。そのため、専門的な判断力と高度な知見が求められる業務であるが、現状ではその担い手が慢性的に不足している。

    こうした課題に対応すべく、厚生労働省はAI技術の活用に乗り出した。実証研究では、画像解析技術を応用し、屠畜された食肉に異常がないかをAIが自動で判別するシステムを導入。獣医師による目視検査を補助する形で設計されており、業務の効率化と負担軽減の両立を目指している。

    今回の実証研究は、北海道、茨城県、宮崎県の3道県で2025年4月下旬から開始され、2027年度までの3年間実施される予定である。自治体ごとの検査環境や処理フローにおける差異を踏まえ、AIの柔軟な適応性と検出精度を検証する意図もある。

    AI導入による検査現場の再構築と全国展開の可能性

    AIを取り入れた食肉検査が本格的に機能すれば、現場の獣医師不足という構造的問題に対して現実的な打開策となる可能性がある。
    研究班を率いる村松康和教授は、「研究成果によっては、現場の獣医師の大幅な負担軽減が期待できる。食の安全に関わるので、獣医師による検査と同じレベルを目指してAIの精度を上げていきたい」と述べており、単なる補助的役割に留まらない将来的展望を示している。

    一方で、AIがすべてを代替することは現段階では難しいだろう。
    検査基準の解釈や微細な病変の判断には、今後さらなる精度向上とケーススタディの蓄積が求められる。また、制度的整備やAIによる誤検知への対応策も並行して検討される必要があるはずだ。

    今後、3年間の実証結果を踏まえ、厚生労働省は全国導入の是非を判断する見通しである。もし、AIの活用が成果を挙げれば、食肉処理の現場は大きく変容するだろう。省力化と精度の両立は、ただ単に効率性を追求するだけでなく、安全性の担保という社会的責務にもつながってくる。

    先端技術によって食の安全を守るというアプローチは、AIが社会インフラの一部となる未来を示唆している。

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