湘南美容外科運営のSBCメディカル、米国で約6000万円相当のビットコイン分散投資

2025年4月14日、湘南美容外科を運営するSBCメディカルグループホールディングスは、米国の取引所コインベースを通じて約6000万円相当のビットコイン(BTC)を購入したと発表した。本件は日本企業による仮想通貨戦略の加速を示す事例の一つといえる。
マクロ経済の変動に備える動き SBCメディカルの仮想通貨導入の背景
今回の取引は米国の大手仮想通貨取引所コインベースを通じて行われ、すでに完了しているという。今回のビットコイン購入は同社が2025年2月に公表した総額10億円規模の購入計画に基づく初回取引にあたる。
同社はこの投資について、「マクロ経済情勢の変動に柔軟かつ機動的に対応し、企業としての長期的な価値を高めるための取り組み」であると説明しており、インフレ局面における資産の価値維持や、法定通貨依存のリスクを抑える分散投資(※)の一環とする意図が読み取れる。
仮想通貨のボラティリティ(価格変動の激しさ)を認識した上での判断であり、保有資産ポートフォリオ全体の健全性を重視した動きだと考えられる。
SBCメディカルは2024年9月に米国ナスダック市場へ上場を果たし、カリフォルニア州アーバインに拠点を設置した。
日本国内にとどまらず米国および東南アジア市場への積極的な展開を進めている。財務面においても米ドル建ての取引や資金管理に対応するための基盤整備を急いでおり、その一環としての仮想通貨導入であると予想される。
※分散投資:異なる資産や通貨に投資先を分けることで、個別リスクの影響を最小限に抑える投資手法。株式・債券・不動産・仮想通貨など複数の資産クラスを組み合わせることで、ポートフォリオ全体の安定性を高める狙いがある。
仮想通貨の可能性 企業の導入が広がる兆し
SBCメディカルは今回の購入に続き、2025年5月までに段階的に残りのビットコイン購入を進める方針を示している。現時点では計画通りの資産分散戦略が実行されており、今後も仮想通貨を含む柔軟な財務運営を継続していく構えだ。
市場では企業による仮想通貨活用の広がりに注目が集まっている。
米国ではテスラやマイクロストラテジーが先行してビットコインを保有しており、日本企業にもこの流れが波及し始めているものと考えられる。
SBCメディカルは今後も海外市場における美容医療事業を拡大する予定であるため、国際的な視点からも仮想通貨を活用した財務戦略が鍵を握ることになりそうだ。
企業による暗号資産の実務導入は、今後さらに加速するだろう。