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    ビットコイン保険のMeanwhileが約58億円調達、経済不安国へ展開

    2025年4月10日、米スタートアップMeanwhileが、シリーズAラウンドで4000万ドル(約58億円、1ドル=145円換算)の資金調達を発表した。ビットコイン基盤の生命保険・年金を提供する同社は、インフレや通貨不安が深刻な市場を中心にグローバル展開を加速させる構えだ。

    目次

    ビットコイン建て保険の可能性、生命保険市場に変革の兆し

    Meanwhileは、保険料および給付金の支払いをすべてビットコインで行うという、従来の生命保険とは一線を画すモデルを掲げている。これにより、インフレや法定通貨の下落リスクに晒される地域において、契約者が長期的に購買力を保持する選択肢として注目を集めている。

    2025年4月10日に公表されたシリーズAラウンドでは、ベンチャーキャピタルのFrameworkおよびFulgur Venturesが主導し、初期のビットコイン支持者として知られるウェンセス・カサレス氏も出資者に名を連ねた。調達額は4000万ドル(約58億円)にのぼる。
    これに先立ち、Meanwhileはサム・アルトマン氏やGradient Venturesなどから2000万ドルの支援も受けており、累計調達額は6000万ドルに達する。

    ビジネスモデルは斬新である一方、ビットコインの価格変動リスクを契約者自身が引き受ける必要がある。価格の急騰による恩恵もあるが、下落時には保険金の価値が著しく目減りする可能性があるため、この点は契約者の理解と判断が問われる。

    ザック・タウンゼントCEOは「今回のラウンドは、世界最大の長期保険・貯蓄会社を作るという我々の旅に大きな力を与える」と語っており、同社が目指すのは単なる革新ではなく、既存金融インフラの再構築に近い。

    ターゲットは経済不安国、規制環境と技術支援を追い風に

    Meanwhileが視野に入れる展開先は、通貨価値の下落や高インフレに苦しむ国々だ。
    法定通貨での長期的な価値保持が難しい地域において、ビットコイン建て保険は「購買力を保存する手段」として提案されている。特にラテンアメリカやアフリカの一部では、すでに暗号資産の受容が進んでおり、一定のニーズが見込まれる。

    同社は昨年、バミューダにてデジタル生命保険会社のライセンスを取得済みである。バミューダはフィンテックに好意的な規制環境を持ち、暗号資産関連企業にとって参入しやすい国として知られている。
    このライセンス取得は、法的な土台を整備するうえで重要な意味を持つと言える。

    また、出資者の顔ぶれも注目に値する。オープンAIのCEOであるサム・アルトマン氏や、AI技術に特化したGradient Venturesの関与は、保険業界におけるテクノロジー活用を後押しする可能性が高い。
    これにより、保険の自動化やリスク評価の高度化といった技術革新も加速することが想定される。

    今後、ビットコイン保険が主流になるか否かは、通貨の安定性や法規制の変化に大きく依存する。
    ただし、グローバル規模でのニッチ市場攻略という戦略は、これまでの保険ビジネスにはなかった切り口であることは間違いない。

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