ビットコインの価格が最高値を更新 せめぎ合う二つの力学から今後を予想
2025年1月22日、暗号資産専門メディアの「Coindesk」は、ビットコインの市場分析記事を公開した。レポートによると、長期保有者の売却動向が転換したとのとのことだ。長期保有者の売却動向はビットコインの価格変動を予測する重要な指標であり、ビットコインが10万ドルを超えて推移する中、天井に達した可能性が暗示されている。一方、各種指標は強気な態度を示しており、最高値更新以降の動きに注目が集まっている。
長期保有者の売却傾向に変化
155日以上ビットコインを保有する投資家、いわゆる長期保有者は、市場での「スマートマネー」として知られている。この層は大量のビットコインを保有していることから影響力が高く、相場の転換点を見極める能力も高いとされており、他の投資家や市場分析家から参考にされることが多い。
長期保有者は相場の底値で買い、上昇局面で売るという投資手法を取る傾向にある。CoinDesk researchの分析によると、この層は過去4ヶ月間、価格上昇に合わせてビットコインを売却するという行動パターンを示してきた。具体的には、2024年9月時点で1,420万BTCあった保有量が、現在は1,310万BTCまで減少している。
年明けから、この売却ペースに顕著な変化が現れ始めている。長期保有者は安値での買い入れ、高値での売却という典型的なパターンで投資してきたが、その売却圧力が次第に弱まってきているのだ。過去の2013年、2017年、2021年、そして2024年の相場サイクルでも、長期保有者の売却停止は相場の天井を示す重要なシグナルとなっていた。今回もビットコインの価格が、今後下降傾向で動くのではないかという懸念がある。
各種指標は強気な態度を示す
一方で、投資市場における各種の指標は投資家が強気であることを示していて、最高値を更新した今も、さらに価格が上昇する可能性が残されている。1月17日以降、ビットコインは一時的な下落を経験しながらも、10万ドル台を維持している。特に注目すべきは、1月20日に記録した109,114.8ドルの最高値である。トランプ大統領就任も相場の急激な変動の要因になっている。
市場参加者の投資判断や心理を表す各種指標は、強気相場を示唆している。現在の時価と購入時の投資額を比較するMVRV比率は1.16を記録し、直近1年間の平均値1.1を上回っている。この数値は、短期保有者が購入価格より平均16%高い価格でビットコインを保有していることを意味しているため、利確売りや、さらなる上昇を期待した買い増しの可能性が高くなっていると言える。
また、先物取引などのデリバティブ市場では、将来の価格予想に基づく取引が活発化している。このマーケットでのファンディングレート(価格上昇を予想する買い手が、下落を予想する売り手に支払う手数料)は0.0350%と、2024年12月以来の高水準に達しており、市場参加者の強気な見方を裏付けている。
今後の展望
長期保有者の売却ペース鈍化は、ビットコイン市場では天井を示す傾向にある。しかし、トランプ政権が暗号資産への重視姿勢を示すなど、前例とは違う部分もあり、市場には期待感が大きい。
供給面では、CryptoQuantのデータが示すように、過去3年間で約100万BTCが取引所から流出しており、需給環境は引き締まっている。これらの要因を総合的に見ると、長期保有者の動きは天井を暗示しているものの、市場は新たな上昇フェーズに向けた準備段階に入っている可能性が高いと考えられる。
ただし、トランプ政権下での米国ビットコイン準備金構想など、政策面での不確実性も見られるため、引き続き注意が必要だ。
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